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 米アップルの腕時計型端末「Apple Watch(アップルウォッチ)」の登場で、勢いを増すウエアラブル端末市場。数値化して記録の難しかったライフログ(日常生活の行動記録)を収集し、健康維持などに役立てる動きが今後、さらに広がるのは必至だ。こうしたトレンドを技術面で支えるのがセンサーテクノロジー。例えば、Apple Watchは加速度センサーに加え、手首と面する背面部に心拍センサーを搭載し、意識していない日常生活を収集データで描き出す。

 見えなかったものを、センサーテクノロジーが可視化する。こうした動きはライフログの世界だけにとどまらない。常に身につけるわけではないものの、“ニッチ”なマーケットでセンサーテクノロジーが貢献している分野がある。ゴルフだ。総務省が5年おきに調査している「社会生活基本調査」によると、2011年度のゴルフ人口は924万人。愛好家の数は微減が続いているとはいえ、根強い人気を依然として誇る。

 2008年ごろから首都圏を中心にシミュレーターを店内に備えた「ゴルフバー」が増加。シミュレーターは数百のセンサーや高速カメラが、ボールのインパクト、軌道、スピンに至るまであらゆるデータを計測し、スクリーンに映し出したゴルフコースに打球の軌跡を表示する。だが、こういった専用機器はスペースを取られる上、価格は数百万円に上る。アミューズメント施設が購入したりレンタルしたりするのが前提で、一般消費者には手が届かない価格帯だ。

写真1●15gのフルミエルはグリップ部分に装着しても違和感のない重さ
写真1●15gのフルミエルはグリップ部分に装着しても違和感のない重さ
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 こうした中、発売から1年8カ月で販売台数が約1万8000台と好調な、ウエアラブルを利用したシミュレーターがある。ACCESSが2013年1月に発売した「Fullmiere(フルミエル)」だ(写真1)。価格は1万9800円(税別)で、実売価格は1万6000円。ゴルフクラブのグリップ部に装着する小型端末で、30~40代の男性を中心に愛好家が増えている。専用シミュレーターと比べて収集できるデータは少ないが、加速度センサー、角速度センサー、方位センサーの3次元測定で毎秒500点の動きを捕捉。ヘッドスピード、フェイス角、スイングの軌道など、様々なデータをその場で測定する。

画面1●センサーで読み取った数値を基にスイングの軌跡をビジュアル化する
画面1●センサーで読み取った数値を基にスイングの軌跡をビジュアル化する
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 端末にはBluetoothモジュールを内蔵しており、スマートフォンやタブレット端末向けの無料アプリにデータを送信し、ビジュアル化して内容を確認できる(画面1)。アプリには12人のプロのスイングがあらかじめ収録されており、自分のスイングと比較できるほか、自分のスイングデータも記録できるため、調子の良い時と悪い時の比較が可能だ。

 フルミエル開発初期から関わっていたレッスンプロの関雅史氏は「当然、センサーが多くなればなるほどデータの取得の精度は増すが、その分、コストも跳ね上がる。フルミエルの利点はこの価格で、取得できるデータの精度が高いこと」と語る。関氏は現在、東京・駒込でゴルフ教室を開いているが、「おおよそ月100人の受講生のうち、2割がフルミエルを使っている」と語る。(写真2

写真2●関雅史レッスンプロでは約2割の生徒がフルミエルを装着して練習している
写真2●関雅史レッスンプロでは約2割の生徒がフルミエルを装着して練習している
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