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写真●講演するコトラー教授。サントリーホールディングスの新浪氏(登壇者の左端)やネスレ日本の高岡氏(左から2番目)も参加した
写真●講演するコトラー教授。サントリーホールディングスの新浪氏(登壇者の左端)やネスレ日本の高岡氏(左から2番目)も参加した
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 2014年9月24日、都内で「ワールド・マーケティング・サミット・ジャパン 2014」が開幕した。現代マーケティングの父とも呼ばれるノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院のフィリップ・コトラー教授をはじめ、30人ものマーケティングの専門家が東京に集結。翌25日までマーケティング論を展開する。日本からは、ネスレ日本の高岡浩三社長や、ローソンからサントリーに転じた新浪剛史氏などが参加している。

 このイベントはITの側面から見ても興味深い。コトラー教授は24日午前のセッションのなかで「ビッグデータ分析や予測的分析、ニューロマーケティングに期待している」と語った(写真)。新技術では、ロボティクスや人工知能に関心を寄せた。

 コトラー教授はデータを見ることで「(企業が提供する商品やサービスに)反応する人を見つけ出せる。興味がない人に勧めても意味がない。気に入ってくれそうな人たちだけにアプローチすればいい」とした。

 また、ニューロマーケティングで人が無意識に何を求めているかを理解できれば、例えばキャッチコピーを決めるのにも役立つという。別なアプローチとしてエスノグラフィー(民族学)に由来する調査にも触れ、家庭にビデオカメラを設置して消費者の生活を「観察」する手法も紹介した。

 一方、コトラー教授らと共に登壇したサントリーホールディングスの顧問である新浪氏はローソン時代を振り返り、「ローソンは日本の人口の約半分のお客様のデータを持っている。CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)は非常にパワフルなツール。我々はもっとITの意識を高めて、お客様のことを知る努力をしなければならない」と述べた。

 単なるPOS(販売時点情報管理)データの収集だけでは分からないことも、「会員データがあれば、お客様のリピート購買まで分かる。すると将来のライフスタイルまで予測可能になる」(新浪氏)という。

 このように、最近はマーケティングの専門家にもITの知識が不可欠になってきた。その指揮官となるCMO(最高マーケティング責任者)の役割について討論になると、人材育成の必要性で意見は一致。ネスレ日本の高岡社長は「サイロ(組織の壁)を取り除くのがCMOの役目だ。当社で言えば、消費者はコーヒーのネスカフェとチョコレートのキットカットを一緒に食べたり飲んだりしているのに、社内組織が分断していては対応できない」と語った。