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図●米DreamWorks Animation SKGのWebサイト
図●米DreamWorks Animation SKGのWebサイト

 ソフトバンクが米DreamWorks Animation SKG(DWA)の買収に向けて交渉していると、複数の米メディアが現地時間2014年9月28日までに報じた。

 最初にこの件を報じた米エンターテインメント情報誌「Hollywood Reporter」によると、ソフトバンクはDWAの株式1株あたり32ドルで買収を提案しているという。これは9月26日の終値22.36ドルに約43%上乗せした金額で、買収総額は34億ドルにのぼる見通し。

 関係者の話では、米Googleの元最高事業責任者(COO)であるNikesh Arora氏がソフトバンクとDWAの間を取り持ったとされている。Arora氏は、ソフトバンクが新たに米国で立ち上げるSoftBank Internet and Mediaの最高経営責任者(CEO)に就任することが決まっている(ソフトバンクのプレスリリース)。

 DWAは「Shrek(シュレック)」や「Madagascar(マダガスカル)」「How to Train Your Dragon(ヒックとドラゴン)」といった人気長編アニメーションの制作で知られ、企業価値は約20億ドルと見積もられる。

 買収が成立すれば、ソフトバンクは直接無線事業を拡大する代わりに、独占的コンテンツを拡充することによって、米大手キャリアのAT&TおよびVerizon Communicationsに対抗する競争力を獲得できる(米Wall Street Journalの報道)。ソフトバンクは2013年7月に米Sprintを買収し、2014年にSprintを通じてドイツDeutsche Telekomの米国子会社T-Mobile USを総額約320億ドルで買収しようとしたが、米規制当局の承認を得るのは困難だとして8月に交渉を打ち切った(関連記事:Sprint、T-Mobile買収計画を白紙に、CEO交代を発表)。

 ソフトバンクはArora氏の採用のほか、8月にフィンランドのモバイルゲームベンダーSupercellを買収し、すでにガンホー・オンライン・エンターテイメントを傘下に収めるなど、デジタルコンテンツの強化を図っている。

 さらにソフトバンクは中国Alibaba Group(阿里巴巴)の米国での上場(関連記事:AlibabaがIPOで218億ドルを調達、初値は36%高、課題を指摘する声も)によって50億ドル近い利益を得ているとみられ、買収資金は十分にある(米CNETの報道)。

 しかしDWAは最近の作品の興業が芳しくなく、2014年第2四半期は売上高1億2230万ドルで、純損失1540万ドルを計上している。Wall Street Journalの別の記事では、ソニーの米Columbia Pictures買収(1989年)、松下電器産業の米MCA買収(1990年)など、日本企業による米エンターテインメント事業の買収が成果を出せなかった過去の例をいくつか挙げている。