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 米AppleのiTunes Storeにおける音楽のダウンロード販売が2014年に入って急速に落ち込んでいると、複数の米メディア(Apple InsiderTechCrunchGizmodoなど)が米Wall Street Journalの記事を引用して現地時間2014年10月24日までに伝えた。

 それによると、世界のiTunes Storeにおけるデジタル音楽販売の売り上げは年初から13~14%減少した。IFPI(国際レコード産業連盟)は、2013年に世界の音楽ダウンロード売上高が2.1%減少したと報告していたが、それに比べると2014年の落ち込みは激しいとWall Street Journalは伝えている。

 その背景には、無料あるいは月額10ドルほどのストリーミングサービスの利用増にある。あるアナリストは、消費者の音楽の消費の仕方に変化が表れていると指摘している。英Spotifyや米Pandora Mediaといったストリーミングサービスの年初からの利用は、1年前の同じ期間から46%増えているという。

 Appleは今年、ストリーミングサービス「Beats Music」も手がけるヘッドホンメーカー、米Beats Electronicsを買収したが、その理由はこうした市場環境の変化。Wall Street Journalは事情に詳しい関係者の話として、Appleは2015年にBeats Musicのブランドを再構築し、iTunesの一環としてサービスを刷新する計画だと伝えている(関連記事:AppleがBeatsの買収手続き完了、両社のストリーミング音楽事業は継続)。

 ただ、「もし、ダウンロード販売の落ち込みペースが、ストリーミングサービスの成長よりも速いというこの状況がさらに進めば、レコード業界は再び低迷するかもしれない」と、レコード会社の幹部らは懸念している。レコード業界はここ数年、比較的安定していたという。

 またレコード会社の幹部らは「問題解決の鍵を握るのは、ユーザーに広告付きの無料サービスではなく、有料サブスクリプションサービスを利用してもらうことだ」と話している。広告付き無料サービスは有料サービスに比べ、レコード会社にもたらされる収益が少ないという。

 なおAppleが先ごろ発表した2014年7~9月期の決算では、「iTunes Store」とその他のサービスの売上高が46億800万ドルとなり、前年同期から8%増加した。ただしこれには、音楽販売のほか、「App Store」と「Mac App Store」のアプリ、「iBooks Store」の電子書籍、有料の製品保証プログラム、ライセンス、各種サービスによる収入が含まれている。同社は音楽販売の売上高を個別に公表していない(関連記事:Appleの7~9月期決算はiPhone好調で増収増益、今期見通しも強気)。