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写真1●KDDIの田中孝司社長
写真1●KDDIの田中孝司社長
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 「今回のVoLTE対応端末は“LTEオンリー”で、端末上にCDMA2000の通信機能を載せていない。今後、順次、VoLTE対応端末を増やしていき、いずれはauのネットワークから3G(CDMA2000)を無くしていきたい」−−。KDDIの田中孝司社長(写真1)は2014年10月27日に開催したau冬モデル発表会でこのように述べた(関連記事:KDDIがVoLTEの開始と新端末を発表、2014冬モデル発表会で)。

 KDDIはこの日、LTEのネットワーク上でVoIPによる電話サービスを実現するVoLTEサービス「au VoLTE」を2014年12月初旬から開始すると発表。VoLTE対応端末として、「isai VL LGV31」(韓国LGエレクトロニクス製)、「URBANO V01」(京セラ製)の2端末をラインアップした。実はこの2端末の音声通話機能はVoLTEのみだ。

 同社のこれまでのLTE端末は、通話する際に3G(CDMA2000 1X)にフォールバックしていたが、今回の端末から3Gの通信方式としてCDMA2000の機能すら非搭載とした。海外渡航時のローミングに使う方式もGSMやW-CDMA(UMTS)である。

 同社はVoLTE開始に伴って、今や世界的にはマイナーな通信方式となってしまったCDMA2000方式の巻き取りを本格的に開始したことになる。今後はフィーチャーフォンを含めて“VoLTEオンリー端末”を増やし、ネットワーク側では3Gで利用している帯域を徐々に絞っていく方針だ。

 このような取り組みが可能になったのは、LTEエリアが既存の3Gエリアと遜色がないほど広がってきたことである。田中社長は「au VoLTEを支えるネットワークは“Always 4G LTE”。常にLTEにつながっており、3Gに切り替わらないという思いでネットワークを整備してきた」と続ける。同社は、データ通信中にLTEから3Gにハンドオフせずに通信が完了した割合を「LTE維持率」と定義。同社の管理データから算出したLTE維持率は2014年9月末で「99.95%あたりまで来ている」(同)という。

 多くの携帯電話事業者はVoLTEを導入する際、「SRVCC(Single Radio Voice Call Continuity)」という技術を活用している。これはLTEエリアから3Gエリアに切り替わった場合、VoLTEから回線交換へと呼を引き継いで音声サービスを継続できる技術だ。先にVoLTEを開始したNTTドコモも、SRVCCを使った形でVoLTEの商用サービスを始めている。もっともKDDIの田中社長は以前から、同社のVoLTEはこのような3Gへの切り替え無しの方式で導入することを明言していた(KDDIのVoLTEは3Gへのフォールバックなしの仕様に、田中社長が明かす)。今回のVoLTE対応端末は、通話しながらの3Gへのハンドオフに対応しないばかりか、同社の3Gの通信機能すら受けられない仕様とした。

 もっとも3Gの巻き取りはまだまだ時間がかかりそうだ。田中社長は「ネットワーク側から帯域を絞っていくが、最後はクルマに搭載した3Gのモジュールが端末として残るだろう。3Gの巻き取りは2020年ころまでかかるのではないか」という見通しを示す。