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 米AppleのTim Cook最高経営責任者(CEO)は米ビジネス情報誌への寄稿で、自身が同性愛者であることを公表した。米Bloomberg BusinessWeekに現地時間2014年10月30日に掲載された手記で同氏は、「私はゲイであることを誇りに思う」と述べている。

 同氏は「AppleのCEOがゲイであると聞いて、自分を受け入れることに苦しんでいる人が救われ、孤独を感じている人が癒やされ、平等を主張する意思を人々に呼び起こすなら、私のプライバシーを犠牲にする価値はあると考えた」と告白した理由を述べた。

 また、同氏が同性愛者であることはAppleの多くの同僚がすでに知っているが、それによって同氏に対する態度が変わるようなことは感じられないという。

 Cook氏の告白について複数の米メディアが、「同性愛であることを公言した米国で最も著名なビジネスリーダー」と報じている。ビジネス界では同性愛を公言している経営幹部は少ないが、Cook氏に続いて同性愛を告白するビジネスリーダーが現れる可能性がある。

 米Wall Street Journalによると、AppleのArt Levinson会長は「Appleの取締役会は彼の勇気ある告白を支持し、賞賛する。我々はAppleの指導者がTimであることを誇りに思う」と述べた。

 LGBT(同性愛者、両性愛者、トランスジェンダー)市民権擁護団体のHuman Rights Campaignは、Cook氏の告白が「無数の命を救った」と称えている。米Deloitteの調査によると、同性愛者および両性愛者の83%が職場ではそれを隠しているという(米New York Timesの報道)。

 また、英British Petroleum(BP)の元CEOで、同性愛であることから2007年に辞任に追い込まれたJohn Browne氏は、「Cook氏はロールモデルになった。彼の告白により、ビジネス界の変化が加速するだろう」と述べた。

 シンガポールやロシアなど、Appleが事業を展開している米国外の保守的な国および地域で今回の告白がどう受け止められるかはまだ分からないが、「Appleのプラスになることはないが、マイナスになることもない。Appleの製品はたいへん成功しているので、ほとんど影響はないだろう」とする心理学教授のコメントを米SFGateは紹介している。