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 欧州議会は現地時間2014年11月27日、米Googleに検索事業の分社化を求める決議案を承認した。複数の海外メディア(米New York Times米Wall Street Journal英Reutersなど)の報道によると、賛成384票、反対174票で可決した。

 Googleを巡っては、検索市場における独占的地位の乱用が欧州競争法に違反している疑いがあるとして、欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)が2010年11月より調査している。欧州議会は、Googleの独占体制への対策として、Googleの検索エンジンを他の同社サービスから分離することを提案する準備を進めていた(関連記事:欧州議会がGoogle分割を提案へ、欧州委に行動を迫る)。

 決議案ではGoogleを名指しせず「すべてのインターネット企業は検索エンジン事業を切り離すべき」としているが、Googleを対象にしていることは明らかだ。Googleは欧州の検索エンジン市場で90%以上のシェアを占めている。

 同決議案に法的拘束力はないが、ECに強く決断を迫るものとなる。前EC競争政策担当者のJoaquin Almunia氏は何度も和解の道を探ったが解決に至らず、新たに担当者に就任したMargrethe Vestager氏は「じっくり判断する」との姿勢を見せている。

 こうしたECの慎重さに欧州の一部議員は苛立ちを感じている。「欧州がデジタル世界の植民地という状況から確実に脱することができるよう、同決議案が電気ショックとなることを期待している」(欧州人民党議員)、「インターネットの競争は大いにゆがめられている。一部の検索エンジンが独占していることにより、多くのサプライヤーやプロバイダーは本当の意味で消費者にアクセスできずにいる」(社会民主進歩同盟議員)といった声があがっている。

 一方で、同決議案がGoogle競合社のロビー活動に触発されたものであり、保護貿易主義的な考えだと批判する議員も多い。「我々に競争力がないことの責任を押しつける身替わりを求めるべきではない」(別の欧州人民党議員)、「公正な競争と消費者の選択肢に重点を置いて考えるべき」(欧州自由民主同盟議員)との意見も聞かれた。

 専門家は、同決議案の承認によってGoogleの分割が実現することはないだろうと見ている。しかし、Googleはプライバシー関連でもEU当局で議論の的になっており(関連記事:EU、米国版Google検索にも「忘れられる権利」の適用を迫る指針策定)、こうした動きは、欧州において米技術企業が独占的地位を確立していることに反感が高まっていることを明示している。