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 米Appleの「iPod」を巡る独占禁止法訴訟で、同社が勝利したと複数の米メディア(New York TimesWall Street JournalComputerworldなど)が報じた。陪審団は現地時間2014年12月16日、Appleの違法行為は認められないとの評決を下した。

 米カリフォルニア州オークランドの連邦地方裁判所で12月2日から開かれていた審問では、原告側弁護士は「AppleはiPodユーザーが他社サービスから購入した音楽を黙って削除していた」と主張したが(関連記事:「Appleが他社サービスの音楽をiPodから削除」、反トラスト訴訟で)、Appleのソフトウエアアップデートによってユーザーの音楽が実際に消失したことを証明できなかったという。

 この訴訟は当初2005年1月に提起されたもので、原告は、競合サービスの音楽がiPod上で再生されるのをAppleが不当に妨害したと非難。2006年9月~2009年3月にiPodを購入した消費者800万人が参加する集団訴訟となり、3億5000万ドルの損害賠償を求めていた。

 陪審団が焦点を当てたのは、Appleが2006年と2007年に実施した「iTunes」ソフトウエアの7.0と7.4アップデートで、原告はこれらが競合サービスのコンテンツを遮断するためのものだと主張。一方Appleは機能強化を目的としたものだと主張した。法廷では、Apple共同設立者で2011年に死去した故Steve Jobs氏の電子メールとビデオも証拠提出された。

 8人からなる陪審団は全員一致で「アップデートは純粋に機能強化のため」と判断。よって独占禁止法に違反していないと結論づけた。違反が認められた場合、賠償額は3倍に拡大する可能性があった。

 Appleは今回の評決を歓迎し、「我々は、音楽を聞くための世界最良の手段を当社顧客に提供するためにiPodとiTunesを作りだした。これら製品のアップデートを行うたびに、ユーザー体験をさらに向上させてきた」と述べた。

 一方原告側弁護士は「非常に難しい裁判だった。競合サービスの音楽を遮断することと製品の機能強化とを分けて判断されるべきだった」と述べ、上訴する意向を示した。

 なお今回の裁判では、原告代表者のうち2人が、実は対象期間にiPodを購入していなかったことが判明し、訴訟から離脱する事態があった。