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写真●米IBM シニア・バイス・プレジデントのマイク・ローディン氏
写真●米IBM シニア・バイス・プレジデントのマイク・ローディン氏
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 日本IBMとソフトバンクテレコムは2015年2月10日、米IBMの質問応答システム「Watson」の日本語化と市場導入で戦略提携すると発表した(プレスリリース)。これまで英語での利用が前提だったWatsonを日本語に対応させて、教育や銀行、保険、小売、医療などの分野に向けて、2015年中にクラウドサービスとして提供したい考えだ。

 両社は、日本語対応に必要な教育・トレーニングをWatsonに施すとともに、日本語対応のAPIや、APIを使ったアプリケーションの開発環境を共同で構築する。日本の市場に合ったAPIや開発環境を整備することで、Watsonの機能を使ったアプリケーションを開発するパートナー企業や開発者・起業家、研究者などのエコシステムを拡大させる。

 ソフトバンクテレコムは日本IBMと販売店契約を結び、日本語版Watsonをそれぞれの販売チャネルを通じて提供。自社の国内データセンターからWatsonの機能をホスティングして提供する。WatsonのAPI共同開発からホスティングを含めた提携は、ソフトバンクテレコムが世界初となる。

 ITproの取材に応じたWatson事業責任者でシニア・バイス・プレジデントのマイク・ローディン氏(写真)は、提携の意義について「IBM単体で手掛ける場合と比べ、日本市場に早く、広くリーチできる。Watsonのエコシステムを拡大させる最良のパートナーと考えた」と語る。「IBMはPC事業から撤退してB2B企業になったが、ソフトバンクとともにWatsonのエコシステムを拡大することで、(WatsonのAPIを活用したアプリケーションを通じて)一般消費者にもタッチできるようになるだろう。Watsonと、ソフトバンクのロボット『Pepper』との協業も楽しみにしている」(ローディン氏)。

 Watsonの日本語化は、2ステップで実行している。自然言語処理パイプラインなどのWatsonの中核アルゴリズムは、2011年に米国のクイズ番組「ジョパティ!」に登場した当初は英語の利用が前提だった。IBMは、既にこれを多言語対応のシステムに書き換え済みという。

 現在は、この多言語対応のWatsonをベースに、日本語、ブラジル語、ポルトガル語など特定の言語のコンテクスト(文脈)を理解できるよう、システムの追加やトレーニングを行っている。これにより「英語を経由せず、日本語の質問を理解し、日本語で答えを出すシステムを実現できる」(ローディン氏)という。