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写真●講演するコマツの山根宏輔執行役員情報戦略本部長(写真撮影:井上裕康)
写真●講演するコマツの山根宏輔執行役員情報戦略本部長(写真撮影:井上裕康)
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 2015年3月17日、日経情報ストラテジーが主催する「データサイエンティスト・ジャパン2015」の「プロフェッショナルCIO特別講演」には、建機大手のコマツでCIO(最高情報責任者)を務める山根宏輔執行役員情報戦略本部長が登壇(写真)。同社が開発中の新しいタイプの情報システム「t-Next」の全貌を披露した。

さまざまな現場の変化を単一のシステムで統合管理

 t-Nextを一言で表現すると、設計・製造から販売までの全ての現場の変化を捉えて、その「5W1H」を小さな情報の塊(「情報短冊」と名付けられている)として蓄積していくシステムだ。具体的には、ERP(統合基幹業務システム)などの基幹系システムで情報の追加・修正などがあった際に、構造化・非構造化の両方を含めた生データを定型的な書式に整形して、単一のデータストアに蓄積していくシステムである。データの書式は「製品識別番号+タイムスタンプ+生データ+背景データ」となっている。

 このシステムを活用すると、例えば、顧客企業の現場で稼働中のマシンが、設計段階から販売・保守までの段階でどのような履歴をたどったのかを把握できるようになる。現状では複数の部署や拠点に分断している情報を、製造番号などをキーにして一元化できるようにすることが、t-Nextの大きな特徴である。本稼働を2015年4月に予定している。

「プロセス指向」から「データ指向」へ

 t-Nextの開発を提案したのは同社のIT部門だという。同社にはさまざまなデータが蓄積されているが、業務で活用しているものは氷山の一角で、ほとんどが放置された状態だった。

 「2011年にIT部門の社員が、『眠っているデータを活用できるようにすれば、業務の生産性が向上するのではないか』と提言したのが始まりだった」。山根氏はt-Next開発の発端を、こう振り返る。