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写真●講演するインテージの近藤節チーフデータサイエンティスト・マネージャー(写真撮影:井上裕康)
写真●講演するインテージの近藤節チーフデータサイエンティスト・マネージャー(写真撮影:井上裕康)
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 出退勤記録や入退室のログなどの勤務データから、社員の心を読み取る――この難題に挑戦したのがインテージである。2015年3月17日に開催された「データサイエンティスト・ジャパン2015」の講演で、同社の近藤節データサイエンス部チーフデータサイエンティスト・マネージャーが解説した(写真)。

 同社は、国内1位、世界9位のマーケティング・リサーチ会社(American Marketing Association社2014年8月発表)。この取り組みに挑んだ理由は、優秀な社員の離脱を防ぐためだ。

 勤務データから社員の心の中をつかめれば、社員の離脱リスクに対して早期発見が可能になるとともに、問題が深刻化する前に手が打てるようになる。加えて、リサーチ会社のインテージ社内でデータの活用が進んでいなかった、という反省もあり、この取り組みに着手したという。

 今回の取り組みで活用した勤務データは、入退館ログと勤務記録、ES(社員満足度)調査結果の3つ。対象となるのはグループリーダー以下の社員で、この3つのデータがそろっている687人。入退館ログと勤務記録の2つのデータにどのような傾向・特徴があると、ESは7段階のどれになるのか。それを導き出せるモデルを作るのが目標である。

 分析ツールとして「IBM SPSS Modeler」を利用。「C5.0」という決定木モデルなどを導き出すアルゴリズムを採用して分析した結果、1つのモデルが出来上がった。対象者のうち47%が、条件を緩くすると58%が、このモデルに当てはまるという。

 例えば、リサーチ系業務を担当する社員は、継続して勤務する意向が高い。それに対して、新規事業・サービス担当の社員は、それほど高くないといった具合だ。

 このほかにも「終業時間が不規則な社員は継続の意向が低い」といったことだけにとどまらず、「5階まで階段で上がる社員も継続意向が低い」といった、社員がオフィスで取る行動からも、離職のリスクをつかめる結果が得られた。

 インテージでは、今後もモデルの検証を継続。キャリア採用メンバーの離脱回避や離脱リスクの高いメンバーへのフォローアップなど、日常的に活用する計画だという。