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 欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)は現地時間2015年4月15日、米Googleが欧州競争法に違反しているとして異議告知書(Statement of Objections)を送付したと発表した。また、Googleのモバイルプラットフォーム「Android」についても正式調査を行うことを明らかにした。

 この前日には、ECがGoogleの提訴を決定したと、複数の米メディアが報じていた(関連記事:欧州委がGoogleの正式提訴を決定か、競争法違反巡り)。

 ECは、Googleが欧州経済領域のインターネット検索市場における独占的立場を乱用し、自社の比較ショッピングサービス「Google Shopping」を優遇したと非難している。欧州経済領域でのGoogle検索エンジンのシェアは90%を超える。

 Googleの検索事業に対するECの調査は2010年11月から行われていた(関連記事:欧州委員会、競争法違反の疑いでGoogleの正式調査を開始)。Googleはこれまで複数回にわたって是正案を提出し、和解間近と報じられることもあったが、ECの懸念を払拭することはできなかった(関連記事:欧州委、Googleに改善案要求、「懸念が払拭できなければ次の段階へ」)。

 ECは4年以上にわたる調査から、Googleが検索結果ページでGoogle Shopping(旧名称は「Google Product Search」)を競合ショッピングサイトより目立つように表示したほか、自社サービスには適用しないシステムを用いて競合サービスの表示位置を下げるなどしたと判断している。

 EC競争政策担当のMargrethe Vestager氏は、Googleが不当な優位性を自身の比較ショッピングサービスに与えているとの懸念を示し、「この懸念が裏付けられた場合、Googleは法的措置に直面し、欧州での事業の方法を変えなければならない」と述べた。

 ECが競争法違反を確認した場合に科す制裁金は年間総売上高の最大10%とされており、Googleは理論上、60億ドル以上を科される可能性がある。競争法違反の制裁金では2009年に米Intelに科された約11億ユーロが過去最も高い。米Microsoftは20億ユーロ以上を支払っているが、そのほとんどは是正条件の不履行による罰金が占めている(米New York Timesおよび英Financial Timesの情報)。

 GoogleはECの主張に対して10週間以内に釈明し、公聴会の開催を求めることができる。

 Androidを巡る調査では、Googleが反競争的な契約の締結や優位的立場の利用により、競合のOS、アプリケーション、サービスの開発および普及を阻止したかに焦点を当てるという。

 ECの発表を受け、Googleは欧州における比較ショッピングサービスのアクセス解析グラフを公式ブログに掲載し、「Googleは最も利用されている検索エンジンかもしれないが、人々は今や多数の異なる方法で情報を見つけたり利用したりできる。当社が消費者と競合サービスに損害を与えているとの主張が的外れであることは証明されている」と反論した。

 また、Android端末ユーザーはGoogleと競合するサービスにも簡単にアクセスできること、モバイル開発者の8割以上が複数のモバイルOS向けのアプリケーションを開発していることなどを説明。さらに米Appleの名を挙げ、「AndroidデバイスにプリインストールされているGoogleアプリケーションは、iOSデバイスにプリインストールされているAppleアプリケーションよりよほど少ない」と述べた。

[発表資料(ECのプレスリリース1)]
[発表資料(ECのプレスリリース2)]
[発表資料(ECのプレスリリース3)]
[発表資料(Googleの公式ブログ1)]
[発表資料(Googleの公式ブログ2)]