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 TSXを使うと、マルチスレッド環境におけるメモリーアクセスの競合を避ける処理が効率化できるようになる。例えば、あるスレッドが特定のメモリー領域を読み出して処理している間に、別のスレッドが同じ領域を書き換えてしまうと、正しく処理が進まない。こうした競合状態を防ぐために、通常はアクセス中のメモリー領域を保護(ロック)する。この場合、スレッドを並列に実行できずに性能を上げられないことがある。

 TSXを利用すると、競合は発生しないとみなしてロックせずにほかのスレッドと平行して処理を進めて、競合したら処理を破棄してやり直し、競合しなかったらそのまま進めることができるようになる。スレッドの並列性を高められるため、全体的な性能を上げやすくなる。TSXを利用するにはソフトウエアの対応が必要になる。

 インテルはTSXの効果の一例として、欧州SAPのインメモリー型データベース「SAP HANA」の処理が大幅に高速化するとの結果を示した。新しいXeon E7-8890 v3(18コア、2.5GHz)を4CPU構成にしたプラットフォームで、TSX対応にしたSAP HANAを実行したところ、前世代のXeon E7-4890 v2(15コア、2.8GHz)を4CPU構成で使ったプラットフォームに対して5.9倍の性能が得られたという。

 インテルは、Xeon E7 v3において、システムの信頼性を高める機能も拡張した。「エンハンスドMCA Gen2」は、ハードウエアに発生した訂正可能なエラー、訂正不可能なエラーのいずれもファームウエアで把握する機能。復旧の機会を増やせるという。メモリーの特定の領域をミラーリングしておき、訂正不能なメモリーエラーが発生したときに復旧するなどができる「アドレス・レンジ・メモリー・ミラーリング」機能、メモリーモジュールに障害が発生したときに自動で予備の領域を割り当てる機能、DDR4メモリーにおいてパリティエラーからリカバリーする機能なども備えた。

表●Xeon E7 v3シリーズの主なラインアップと価格
ナンバーコア数動作周波数共有キャッシュ卸価格
E7-8890 v3182.5GHz45MB7175ドル
E7-8880 v3182.3GHz45MB5896ドル
E7-8880L v3182GHz45MB6062ドル
E7-8870 v3182.1GHz45MB4672ドル
E7-8893 v343.2GHz45MB6841ドル
E7-8891 v3102.8GHz45MB6841ドル
E7-8867 v3162.5GHz45MB4672ドル
E7-8860 v3162.2GHz40MB4060ドル
E7-4850 v3142.2GHz35MB3004ドル
E7-4830 v3122.1GHz30MB2169ドル
E7-4820 v3101.9GHz25MB1502ドル
E7-4809 v382GHz20MB1224ドル