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 米Appleが自社のテレビを開発する計画を約1年前に断念していたことが分かったと、複数の海外メディア(米Fortune米The Verge英The Register米CNETなど)が現地時間2015年5月19日までに、米Wall Street Journalの記事を引用して伝えた。

 それによると、Appleがテレビの研究開発を始めたのは2000年代半ばごろ。当時同社は、スイッチを切るとガラス板のように透明になり、スイッチを入れるとレーザー光によって画像を映し出すディスプレイのプロトタイプを作っていたという。だがこのディスプレイは消費電力が大きく、画質も良くなかったため、結局研究段階を越えるまでには至らなかったという。

 また、Appleは、テレビ画面上部のカメラとセンサーを使った、テレビ版「FaceTime」とも言えるテレビ電話機能も研究していた。これはセンサーで誰が話しているかを感知し、カメラを話し手の方向に向けるというもの。同社はリビングルームにおけるテレビの役割を拡大する機能について研究していたという。

 このほか Appleは当時まだ非常に高価だった4Kディスプレイを開発することも検討していたという。Wall Street Journalによると、同社は革新的な技術とより使いやすいソフトウエアを武器に新たな製品分野に進出したいと考える企業。ところがテレビ製造の業界では新技術が急速にコモディティ化され、し烈な価格競争が繰り広げられている。そうした中、同社はこれまで自社テレビの差異化を図ろうと様々な研究開発を行ってきた。だが、それらのいずれも、韓国Samsung Electronicsがリードする競争激しいテレビ市場にAppleが進出するだけの十分な理由にはならないと、Appleの経営陣は判断したという。

 一方でAppleは現在、オンラインテレビサービスと、セットトップボックス「Apple TV」の刷新に注力しているという。事情に詳しい関係者の話によると、Appleはメディア企業に対し、新サービスを2015年6月に発表し、同年秋にもサービスを開始したい意向を伝えた。また、Apple TVについては、2012年に現行モデルを発売して以来3年間刷新しておらず、新モデルがまもなく発表されるのではないかと見られている(関連記事:Apple TV新モデルがWWDCに登場か、Siri/HomeKit/App Storeに対応)。