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 中国のインターネットサービス大手Tencent Holdings(騰訊控股)は、同国で有料音楽配信サービスの普及に取り組んでいると、米Wall Street Journalが現地時間2015年6月9日に伝えた。

 Tencentは「QQ Music」と呼ぶ無料の音楽配信サービスを運営しており、その中で広告なしの定額制サービス「Green Diamond」を提供している。このサービスの会員数は現在300万人で、その数は伸びつつあるものの、QQ Music全体の1割にも満たない状況となっている。

 Wall Street Journalによると、中国には100以上の違法音楽サイトがあり、人気のあるサイトには1カ月当たり1億6850万人が訪れている。この数は適法で運営されるどのオンライン音楽サービスのユーザー数よりも多いという。違法サービスがまん延する中国のオンライン音楽事情を背景に、同国では有料サービスが定着せず、ほとんどが無料で提供されていると、同紙は伝えている(関連記事:「Apple Music、アジアで成功するのは極めて困難」アナリストが予測)。

 中国では米国の人口を上回る4億7800人のユーザーがオンライン音楽を利用している。だが国際レコード産業連盟(IFPI)の調査によると、昨年の中国における、ダウンロード販売とストリーミングサービスを合わせた売上高は9100万ドル(世界11位)で、米国の35億ドル(同1位)を大きく下回った。売上高が米国に次ぎ多いのは英国で、その金額は5億9900万ドル。このあと、日本の4億5900万ドル、ドイツの3億1500万ドル、フランスの2億3200万ドルと続いている。

 こうした中、Tencentは、Green Diamondに様々な特典を付け、有料サービスの普及を図っている。Wall Street Journalの別の記事によると、同社は有料会員に、高品質音楽ファイルをダウンロードできるようにしたり、ミュージシャンのグッズを贈ったり、会員限定のコンサートなどを開いたりしている。SNS「QZone」の個人ページでQQ Musicの音楽を利用できるようにもしているという。このほか同社は、同国で有料音楽配信サービスを持続可能なビジネスモデルにするための第1段階として、海賊版や違法サービスの撲滅に向けた取り組みも行っていると、Wall Street Journalは伝えている。