PR
写真●NECの松下裕執行役員
写真●NECの松下裕執行役員
[画像のクリックで拡大表示]

 NECは2015年6月16日、IoT(Internet of Things)技術を、工場設備や生産する製品に活用する、製造業向けのソリューション「Industiral IoT」を提供開始すると発表した。同社が強みとする画像認識や、SDN(ソフトウエア・デファインド・ネットワーキング)といった要素技術やサービスを、ユーザー企業が選びやすいように系統立てて提供する。ユーザー企業は、生産コストを削減したり、新サービスを創出しやすくなるメリットがある。NECはIndustrial IoTで2018年度までに累計2000億円の売り上げを目指す。

 Industrial IoTは、製造や物流、販売などの工程で、設備や製品からデータを収集して分析し、生産性の向上を目指すソリューション。NECの松下裕執行役員は「例えば、工場内で設備機器の稼働状況を可視化することで、生産ラインの組み替えがしやすくなる」とした(写真)。製品にセンサーを取り付けて、販売後に遠隔から稼働状況を監視し、故障時期を予測するなどの新サービスを構築しやすくなるという。

 具体的には、工場内の作業を可視化・管理するMES(製造実行システム)や、画像認識技術を使って製品個体を追跡する物流向けのシステム、IoT向けシステムを構築するためのPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)である「CONNEXIVE」などを提供する。NECがこれまでも提供していたサービスが多いが、新たにコンサルティングサービスを加えた。

 NECは2012年から、メーカーが製造現場で培った知見を共有しあう「ものづくり共創プログラム」を提供している。2015年5月末時点で会員数は562社。分科会や工場の見学会などを開き、事例を共有している。松下裕執行役員は「2015年度内に1000社まで増やしたい」と話した。