NECは2015年6月17日、メインフレーム「ACOSシリーズ」の小型機「i-PX7300GX」(写真)を発表、同日発売した。7月17日に出荷する。従来機「i-PX7300W」の後継に当たり、中堅企業の基幹業務サーバー用途に向く。今回の新モデルでは災害対策を強化し、FTP(ファイル転送プロトコル)を利用した遠隔地へのバックアップ機能を標準で搭載した。使用料金(税別)は、 最下位モデル「モデル50GX」の場合で月額13万8700円。 販売目標は2年間で150システム。
中堅企業向けの小型メインフレームである。プロセッサーはインテル製で、メインフレームOSのACOS-2が動作する。PCサーバーやSANストレージなどのオープン系のIT資源との連携機能に注力している。連携ソフトを利用すると、オープン系システムとの間で、ファイルアクセス、データ変換/転送、データベース間でのデータの反映、ジョブ連携、帳票出力など各種の連携がとれる。
新モデルでは災害対策を強化し、ACOS-2ボリュームをWindows形式のファイルに保存してFTPで遠隔バックアップできるようにした(図)。バックアップテープを遠隔地に搬送するといった手間が要らなくなる。これまでオプションとして提供してきたバックアップとFTP転送ソフトの「ACOS-2/MP OLF/AD-BK」を標準で搭載するとともに、ハードウエアとしてi-PX7300GX上にバックアップ専用の中間ディスクを搭載した形である。バックアップ先はFTPサーバーであれば何でもよく、NECのIaaS型クラウドサービスも利用できる。
新モデルではまた、タブレット端末などから画面情報端末ソフトを介してACOSの業務画面を操作することを想定し、ACOSの業務画面をWindows GUIを介して利用する機能「VIS/VE」について、Windows上で稼働するVIS/VEのソフトウエアがVDI(デスクトップ仮想化)経由でも問題なく利用できることを検証した(VDIソフトはVMware Horizon View)。VDI環境での動作検証を実施したほか、ACOS-2側で動作するVIS/VEのソフトウエアを改善し、何らかの理由でACOS-2に再起動がかかった場合でもVDI経由での入力を継続できるようにしたという。
i-PX7300GXは、全6モデルで構成する(表)。最上位モデル「500GX」の性能は、最下位モデル「50GX」の20.8倍に相当する。
モデル名 | 月額使用料(税別) | 相対性能比 (50GXを基準とする) |
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モデル500GX | 209万5700円 | 20.8 |
モデル400GX | 120万8700円 | 12.4 |
モデル300GX | 60万円 | 5.9 |
モデル200GX | 34万7800円 | 3.5 |
モデル100GX | 19万1300円 | 1.8 |
モデル50GX | 13万8700円 | 1.0 |