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写真●アサヒビール デジタル戦略部の山本薫担当副部長
写真●アサヒビール デジタル戦略部の山本薫担当副部長
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 アサヒビールは、新製品の需要予測に機械学習システムを採り入れ、予想と実需の乖離による欠品や不良在庫の廃棄を減らす取り組みを進めている。試験導入の段階では、機械学習システムによる予測値と実績値との乖離がほぼ10%以内にとどまっているといい、同社ではさらに予測精度を高めた上で本格導入を目指す方針だ。同社 デジタル戦略部の山本薫担当副部長(写真)が、2015年6月18日に開催されたガートナージャパンのセミナーで講演し明らかにした。

 同社が扱うビールなどの製品における、工場から卸売業者・販売店を経由して消費者に届くまでのリードタイムは、主力商品「スーパードライ」で約10日間、他の商品ではそれ以上となっている。定番商品は過去のデータに基づく製造量の調整がしやすいものの、新製品では参考になるデータが少ないため予測が難しい。従来は社内の受注会議やベテラン担当者の勘などに基づいて製造量を加減していたが、欠品や不良在庫の廃棄がしばしば発生していた。さらに近年は期間・数量限定の企画商品などが増え、そうしたリスクが増大しているという。

 これを解決するため、当初はBIツールの導入を検討した。具体的には、アサヒビールの工場からの出荷データと、卸売業者から販売店への売り上げデータ(実販データ)について、新製品と過去の製品の動向をリアルタイムに比較する。発売直後の売れ行きの傾向が似ている過去の製品をBIツールが自動検索する。その出荷・実販データの推移を参考にしながら製造量を増減して、在庫率が過去の製品と同程度になるように調整した。

 このBIツールでも、ある程度は在庫の適正化に寄与したものの「新製品が途中から過去の製品と異なる売れ行きを示しても、BIツールでは原因分析に限界があり、この部分では従来同様ベテラン担当者の勘頼みになっていた。予測精度をより高めたいという現場の声もあった」(アサヒビール デジタル戦略部の山本薫担当副部長)ため機械学習を採り入れた。