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写真●Taylor Swiftさんのブログ
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 米Appleがまもなく始める新たな音楽配信サービス「Apple Music」での報酬の支払い方法が不当だとして、米国の人気歌手Taylor Swiftさんが異論を唱えていると複数の米メディア(米Wall Street Journal米CNETなど)が現地時間2015年6月21日に報じた。それによるとSwiftさんは、自身の最新アルバム「1989」をApple Musicに提供しないことに決めたという。

 これに先立ち、Appleが同サービスで音楽出版社やレコード会社に支払う楽曲使用料(ロイヤルティー)は、業界平均の70%を上回る71.5~73%と伝えられていた。だが米Re/codeによると、Appleがすべてのユーザーに提供する3カ月の無料トライアル期間について、同社はロイヤルティーを一切支払わない契約を音楽会社と結んだという(関連記事:Apple Music、音楽会社に支払うロイヤルティーは業界平均を若干上回る)。

 Swiftさんは6月21日にTumblrに投稿したブログ記事(写真でこのことに触れ、「ショッキングで、残念なこと。歴史的に見て、とても進歩的で寛大な企業であるAppleらしくない行為」と述べ、「私たちはAppleにiPhoneを無料でくださいとは頼まない。Appleも私たちに無料で音楽を提供してと頼まないでほしい」と締めくくっている。

 Wall Street Journalによると、Swiftさん以外にもAppleの契約について不満を抱いている業界関係者はいるという。ある独立系レコード会社は、「Appleが有料のサブスクリプションサービスを始める意図は理解できるが、なぜその顧客獲得コストを楽曲の権利保有者やアーティストが負担しなければならないのか、理解に苦しむ」と述べている。

 CNETによると、 Swiftさんが楽曲の提供を拒否したのはこれが初めてではない。2014年11月、同じく音楽配信サービスを手がける英Spotifyは、本人の要求に応じてSwiftさんのすべての楽曲の配信をやめた。Spotifyは有料サブスクリプションサービスを提供しているが、無料の広告付きサービスも同時に提供するフリーミアムモデルをとっている。

 一方、Appleのサービスは月額9.99ドル・広告なしで楽曲を配信する「Apple Music」と、楽曲をラジオ放送のように流す「Apple Music Radio」で構成され、後者については一部サービスが無料になる見通し。

 Swiftさんはブログ記事で、「Appleは有料ストリーミングサービスを広めようとしており、そのことは素晴らしい進展」としたうえで、「業績を天文学的に伸ばし、大成功を収めたAppleは、たとえユーザーに3カ月無料でサービスを提供している間も、アーティストやライター、プロデューサーに報酬を支払えるはず」としている。