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 米Appleが6月30日に始める音楽配信サービス「Apple Music」の楽曲使用料(ロイヤルティー)をめぐり、米国の人気歌手Taylor Swiftさんが抗議していた問題がようやく決着したと、複数の米メディア(米Wall Street Journal米New York Timesなど)が現地時間2015年6月25日に報じた。

 Swiftさんは6月25日、自身のTwitterアカウントに投稿し、Apple Musicで最新アルバムを配信することを決めたと述べた。これを受け、Appleインターネットソフトウエア/サービス部門担当上級バイスプレジデントのEddy Cue氏もTwitterに投稿し、「6月30日にApple Musicで会いましょう」とコメントした。これにより、Appleは、過去数年来最大のヒットであるSwiftさんのアルバムを配信できるようになり、Apple Musicは順調なスタートを切ることになると、米メディアは報じている。

 この問題はSwiftさんが6月21日にTumblrに投稿したブログ記事に端を発する。Appleが開始するApple Musicでは、3カ月の無料トライアル期間を設けるが、この期間、Appleはロイヤルティーを一切支払わないという契約を音楽会社と結んでいた(関連記事:「Apple Music」の報酬めぐり、米人気歌手のTaylor Swiftが異論)。

 これに対しSwiftさんは、アーティストや音楽制作者の仕事が不当に評価されていると批判。自身の最新アルバム「1989」をApple Musicに提供しないことに決めたと、述べた。この発言を受けAppleのEddy Cue氏は、「Apple Musicは無料トライアル期間中でもアーティストに支払う」とTwitterに投稿し、方針転換の意向を明らかにした(関連記事:Apple、人気歌手の抗議を受け「Apple Music」の方針転換)。

 Wall Street Journalによると、Appleがこの方針転換の内容を盛り込んだ新たな契約書を配布した後、数千に上る独立系レーベルがAppleと契約を結んだという。

 なお、SwiftさんはTwitterへの投稿で次のようにも述べている。

 「この契約(最新アルバム『1989』を配信する)はAppleがほかのアーティストと結んでいるような独占契約のように思われるかもしれないが、それは違う」「私は初めて自分のアルバムをストリーミング配信してもよいと思った」。

 このことから、アルバム「1989」は今後、Apple Music以外の有料サービスでも配信される可能性が出てきたと米メディアは伝えている。

 Swiftさんは、英Spotifyの無料サービスについても批判しており、昨年11月、自身の全楽曲をSpotifyから引き上げたと伝えられている。米The Vergeによると、「1989」はこれまで無料、有料にかかわらずすべてのストリーミングサービスで配信されていなかった。「1989」以前のアルバムについては一部の有料サービスで配信されているという。