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 ハッキングソフトウエアを販売するイタリアHacking Teamが不正侵入を受け、約400Gバイトのデータが流出したと、複数の海外メディア(米Wall Street Journal米Mashable米Forbes英Registerなど)が報じた。Hacking Teamは各国政府に監視活動用ツールを販売しており、国境なき記者団が「インターネットの敵」リストに挙げている。

 Hacking Teamから盗まれたとみられるファイルは現地時間2015年7月5日もしくは週末を通じてBitTorrentで公開された。ファイルには、スーダン、エジプト、アゼルバイジャン、サウジアラビア、ロシア、米国など数十カ国に情報収集技術を販売していたことを示す請求書や台帳などが含まれる。

 Hacking Team米国広報担当のEric Rabe氏は「現在、調査中」と述べるにとどまり、クライアントについては明かさないとしている。同社は2014年に、スーダン、アゼルバイジャン、サウジアラビアらとの取引を否定していた。

 Hacking Teamは同社の製品について、犯罪容疑者がたとえ暗号化技術を使っていても、捜査当局が容疑者の情報を入手できるようにするものと説明している。同社製品は、スマートフォンやコンピュータにユーザーの行動を監視するマルウエアをインストールし、電子メールやSkype通信を傍受したり、端末内のデータにアクセスしたりすることが指摘されている。

 英Reutersによると、流出したファイルには、内部資料、電子メール、従業員パスワード、製品のソースコードなどが含まれる。2014年末時点で取引のある顧客および過去の顧客リストと見られるデータには、米連邦捜査局(FBI)や米麻薬取締局のほか、各国の警察や治安当局などの名前が並んでいる。

 Hacking Teamの公式Twitterアカウントも乗っ取られ、7月6日に「我々は隠すべきことは何もない。そのため、すべての電子メール、ファイル、ソースコードを公開する」とのコメントが、ファイルの公開場所のリンクとともに投稿された。このツイートはのちに削除されている。

 ファイル流出について、人権活動家などから「かつてないほど見事な透明性レポート」「監視活動反対派にとって7月のクリスマスプレゼント」といった声が上がっているという。

 Hacking Teamのソフトウエアは少数民族や反体制派、ジャーナリストらを弾圧するために一部政府に使われていることを、カナダのトロント大学の関連調査機関Citizen Labによって報告されている。