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 米AT&Tが長年にわたって米国家安全保障局(NSA)の大規模情報収集活動に積極的に協力してきたことが、新たな極秘文書から分かった。米New York Times非営利調査報道機関であるProPublicaが現地時間2015年8月15日に報じた。

 New York TimesとProPublicaは、米政府の監視活動を告発した元米中央情報局(CIA)職員Edward Snowden容疑者から提供された2003年~2013年のNSAの文書を共同で調査し、AT&TがNSAと「格別に実りのある関係」であったことを突きとめたという。

 複数の米大手通信会社が政府の監視活動に関わっていたことは以前から報じられていたが、極秘文書によればAT&Tは「極めて協力的」で「とりわけ支援に意欲的」とされている。

 AT&Tは、様々な方法によって、NSAが同社国内ネットワークを行き交う数十億通の電子メールにアクセスできるようにした。また、国連本部のインターネット通信すべてを傍受することを許可する裁判所命令の実行に技術面で協力したほか、国内インターネットハブの少なくとも17カ所に盗聴器機を設置した。

 2013年の文書によると、AT&Tが協力した監視プログラムの予算は、それに次ぐプログラムの2倍にのぼる。

 文書内ではAT&Tの社名は明記されていないが、1985年に立ち上げられた「Fairview」プログラムのパートナーがAT&Tであると、New York TimesおよびProPublicaは判断している。

 同プログラムが現在も続いているかは不明で、AT&Tの広報担当者は「我々は国家安全保障に関わることについてコメントしない」と述べたという。

 NSAとAT&Tが協力して国内傍受インフラを構築しているとして2008年に訴訟を起こした米電子フロンティア財団(EFF)は、今回の報道を受け、「我々の主張を裏付けるだけでなく、AT&Tの施設が大規模監視活動に使われたことをEFFが証明できていないとする政府の回答をまさに覆すものだ」との声明を発表した。

 今回の報道でAT&Tの名声が落ちる可能性はあるが、「株価には影響ない」とする米Recon Analyticsのアナリストの意見を米Bloombergは紹介している。また、Bloomberg Intelligenceの上級テレコムアナリストも「AT&Tの事業が重大な打撃を受けるかは分かりかねる」と述べている。