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 コンピュータエンターテインメント協会(CESA)は2015年8月26日、ゲームなどコンピュータエンターテインメント開発者向けのカンファレンス「CEDEC(Computer Entertainment Developers Conference)2015」を開幕した。会場は神奈川県横浜市のパシフィコ横浜会議センター。メインホールでは、CESAの岡村秀樹会長のあいさつに続いて、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の中村伊知哉教授が登壇。「つくる、ということ」と題した基調講演を行った。

写真●和装が素敵な慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の中村伊知哉教授
写真●和装が素敵な慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の中村伊知哉教授
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 中村教授は「Digital=技術、Pop=カルチャーが私のミッション」と示して講演をスタート。様々な経験や多くの人とのコラボレーションで得られた知見を幅広く紹介し、そこから聴衆に自らへの問い直しを求めた。世界が映像でつながってもそれが平和に直結するわけではないと2001年9月11日のテロ事件で感じたこと、イラク戦争はネットが止めようとした一方で効率的な戦争遂行にデジタル技術が使われたこと、2011年3月11日の東日本大震災では、映像で十分わかったつもりになっていたが、実際に行ってみてにおいや車に描かれたバツ印(死者がいたことを示すという)にショックを受け、全然把握できていなかったと感じたこと…こうした話題で、デジタル技術がいつでも万能なものでないと伝えた。

 それでも、デジタル技術が歴史を変えるものであることは間違いない。「1445年頃にグーテンベルクが活版印刷術を発明し、人々が本をよく読むようになった。それが宗教革命、市民革命、産業革命につながった。それには3世紀かかった。今のIT革命、ソーシャル革命が3世紀かかって何をもたらすか。私たちにはそれを空想するチャンスがある」という。「例えば、多くの赤ちゃんの頭にカメラを付け、一生の動画を保存したら何が起きるか想像できるだろうか?」

 「人間は音楽を作り、絵を描き、文字を生み出した。情報を流通させるために活版印刷術が生まれ、エジソンが蓄音機を発明し、映画が生まれた。電話、テレビが生まれ、1980年代半ばにはファミコンが『映像で遊ぶ』行為をもたらした。パソコン、携帯電話が普及しコンテンツが生まれた。それはスマートフォン、タブレット、サイネージへ広がった。ネットワーク、クラウド、サービスが欠かせないものとなった」

 「私は日本を世界に誇れるデジタル列島にしたい。日本には600万台の自動販売機がある。これをすべてメディアにできないか。トイレはどうだろう。セガがやってくれた。尿量を測定し、前の人の尿量と比較するゲームにしてしまった。こんなことができる企業は日本にしかない。一方で、LINEが決闘を引き起こして決闘罪が適用されたり、暴走族のヒエラルキー(階級構造)が壊れて純粋に暴走したい人が集まるようになったり、企業の採用担当者がソーシャルネットワークをチェックしたり、日本社会はどんどん動いている」

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