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写真1●日米独のキーパーソンが主張を展開した(撮影:中村 宏)
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写真2●コマツ 執行役員生産本部生産技術開発センタの栗山和也所長(撮影:中村 宏)
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写真3●、米インダストリアル・インターネット・コンソーシアムのCTO(最高技術責任者)のステファン・メラー氏(撮影:中村 宏)
写真3●、米インダストリアル・インターネット・コンソーシアムのCTO(最高技術責任者)のステファン・メラー氏(撮影:中村 宏)
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写真4●独シーメンスのDigital Factory Division Head of Strategyのハンス・ラウナー氏(撮影:中村 宏)
写真4●独シーメンスのDigital Factory Division Head of Strategyのハンス・ラウナー氏(撮影:中村 宏)
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写真4●独シーメンスのDigital Factory Division Head of Strategyのハンス・ラウナー氏(撮影:中村 宏)

 2015年9月30日から10月2日まで東京ビッグサイトで開かれている「ITpro EXPO 2015」の初日、「日米独のキーパーソンが語るスマート工場の展望」と題した基調講演が開催された。工場におけるICT活用や製造業のビジネスモデルの変革に取り組む企業や団体がIoT活用についての展望を示した。

 登壇したキーパーソンは3人(写真1)。コマツ 執行役員生産本部生産技術開発センタの栗山和也所長、米インダストリアル・インターネット・コンソーシアムのCTO(最高技術責任者)のステファン・メラー氏、独シーメンスのDigital Factory Division Head of Strategyのハンス・ラウナー氏だ。

 講演の冒頭、3人はそれぞれが所属する企業・団体の取り組みについて紹介した。

 コマツの栗山氏は「我が社はICTを活用して競争力を高めてきた」と語る(写真2)。同社の取り組みで有名なのが、建機に通信機能を持たせる「KOMTRAX(コムトラックス)」だ。同社は全ての建機に通信機能を搭載し、遠隔から稼働状況を監視できるようにしている。異常をいちはやく検知することで、部品の交換や修理に役立てられる。

 「一方で、建機に供給する部品の製造工程でのICT活用はまだこれから」(栗山氏)とする。製品の設計データや加工条件、生産設備の稼働状況などを収集・分析することで、生産性や品質の向上を目指すという。

 IICは、2014年に米ゼネラル・エレクトリック(GE)、米インテル、米IBM、米シスコシステムズ、米AT&Tの5社が設立した団体。IoT(Internet of Things)の普及推進が目的だ。現在は200以上の企業・団体が参加メンバーだという。

 メラー氏によれば、大企業だけでなく中小企業も多く参加しているという(写真3)。製造業にとどまらず、エネルギーや医療などの分野の企業が参加している。「業界横断的に広くパートナーシップを結べることが強み」(メラー氏)とする。

 シーメンスのラウナー氏は、ドイツが国を挙げて取り組むインダストリー4.0について紹介。同社は、インダストリー4.0の中核企業の一つだ。これまでに約40億ユーロを投じてきたという。

 ラウナー氏が強調したのは、製造工程で収集できるビッグデータを可視化・分析することの必要性だ。工場のラインで製品が作られていく様子を完全にシミュレーションすることで、生産性や品質の向上につながるとする。

国、地域、企業が連携することが鍵

 講演の後半ではそれぞれ、工場のICT活用や製造業のビジネスモデル変革において、鍵となる技術や解決しなければならない課題について触れた。

 3人のキーパーソンが強調したのは「相互運用性」や「規格の標準化」などのキーワードだ。例えば、工場の生産設備をインターネットにつなげて相互に連携する場合、ネットワークの通信プロトコルやデータモデルの規格を標準化する必要がある。

 IICのメラー氏は「国や地域、提供する企業によって規格が異なれば、IoTが製造業にもたらす価値が損なわれる」と指摘する。これは現在、開発中の技術に限らない。「すでにあるツールも連携できていないことが多い」(ラウナー氏、写真4)。

 コマツの栗山氏は、製造業において既に使われている設備機器やソフトウエアなどからの移行の難しさも指摘する。ビジネスモデルの変革には、相応の投資が必要だからだ。「コムトラックスでも先行投資が必要だった。経営層には難しい判断となるだろう」(栗山氏)