PR
写真1●NTTドコモの5G推進室主幹研究員の奥村幸彦氏
写真1●NTTドコモの5G推進室主幹研究員の奥村幸彦氏
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●ノキアソリューションズ&ネットワークスのシニア・テクノロジー・エキスパートの野地真樹氏
写真2●ノキアソリューションズ&ネットワークスのシニア・テクノロジー・エキスパートの野地真樹氏
[画像のクリックで拡大表示]
写真3●5Gは関連する分野も広いこともあり、数多くの聴衆を集めていた
写真3●5Gは関連する分野も広いこともあり、数多くの聴衆を集めていた
[画像のクリックで拡大表示]
写真4●ドコモは5Gに関するさまざまなシミュレーションを行っている。まだ仮想空間でのテストとなるが、5Gなら7万人規模のスタジアムでも4K動画の配信が可能という
写真4●ドコモは5Gに関するさまざまなシミュレーションを行っている。まだ仮想空間でのテストとなるが、5Gなら7万人規模のスタジアムでも4K動画の配信が可能という
[画像のクリックで拡大表示]
写真5●ノキアソリューションズ&ネットワークスでは、マンハッタンを再現した都市モデルを使い、自動運転システムにおける5Gの活用例を紹介
写真5●ノキアソリューションズ&ネットワークスでは、マンハッタンを再現した都市モデルを使い、自動運転システムにおける5Gの活用例を紹介
[画像のクリックで拡大表示]

 2015年9月30日から10月2日にかけて東京ビッグサイトで開催している「ITpro EXPO 2015」のメインシアターで、NTTドコモの5G推進室主幹研究員の奥村幸彦氏と、ノキアソリューションズ&ネットワークスのシニア・テクノロジー・エキスパートの野地真樹氏が、次世代移動通信「5G」のロードマップと将来像について講演を行った。

 まず登壇したのはNTTドコモの奥村氏だ。移動体通信における通信規格は、おおむね10年ごとに大きく進化しているという。逆に言えば、一つの規格には最低でも10年は使えるだけのスケールメリットが必要になってくるというわけだ。秒速百歩のIT分野で10年の予測を立てることはかなり難しいが、少なくともモバイル通信のトラフィックは、ドコモがLTEを「Xi」としてサービスインした2010年に比べ、2015年は約24倍にもなる見込みだという。

 さらに一年の平均増加率を2.1倍に見込んだ場合は2020年に、1.5倍に見込んだ場合は2025年に約1000倍にもなる。こうした膨大なトラフィックを処理するため、ドコモでは既存のLTE技術の延長線上にある「Enhanced LTE」と、まったく新しい無線技術を組み合わせて5Gのネットワークを構築したいとしている。

 後者の新しい無線技術では、従来のLTEなどで利用されているものよりも高い周波数帯も積極的に利用する予定だという。また、より小さい範囲をカバーする基地局を多数設置するとともに、そうした基地局とユーザーを指向性の高いビームのような電波で結ぶ「Massive MIMO」を活用することで、7万人規模のスタジアムなどでも4K対応動画の配信が行えるなど、より高速で安定したデータ通信が可能になるという。

 次に登壇したノキアソリューションズ&ネットワークスの野地氏は、主に5Gのメリットを生かした利用シーンについての解説を行った。5Gが従来の移動体通信規格に比べて優れているのは、通信速度や帯域だけではない。遅延速度が大幅に改善し、対応チップの省電力化や省コスト化も進む。

 遅延速度が低下して通信の即応性が高まることにより、例えば自動車の自動運転システムにおいて、事故や追突の危険性が低下する。先頭の自動車が危険を察知すると、車載通信や都市内の通信システムを通じて後続の車にも通知され、減速や停止がスムーズに行われるようになるからだ。

 ビックデータの活用に不可欠なIoTの分野では、5Gに対応した低コストで省電力なチップを使うことで、バッテリーの交換なしで10年以上の監視運用も可能になるという。速度、応答性、省電力という三つのバランスを備える5Gの普及は、社会全体のインフラを底上げする可能性を秘める重要な技術であり、今後の規格化や商用サービスの展開に期待してほしいと結んだ。