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写真1●NTTデータ 代表取締役副社長執行役員 栗島聡氏(撮影:中村 宏)
写真1●NTTデータ 代表取締役副社長執行役員 栗島聡氏(撮影:中村 宏)
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写真2●講演には多くの聴衆が詰めかけた(撮影:中村 宏)
写真2●講演には多くの聴衆が詰めかけた(撮影:中村 宏)
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 「デジタル社会の環境変化に対応するには、自ら“変異”を起こさねばならない。それを担うのがアプリケーションだ」――。NTTデータ 代表取締役副社長執行役員 栗島聡氏が「ITpro EXPO 2015」の特別講演で語ったのは、ビジネスを進化させるためのアプリケーション戦略(写真1)。「アプリケーション中心指向」「共創型イノベーション」など、今後のアプリケーション開発に求められる考え方を説明した。

 栗島氏が引き合いに出したのは、「進化論」で知られるチャールズ・ダーウィン。「生物進化では、変異と遺伝が重要なポイント。変異した性質が子孫に遺伝し、その後の生存競争の過程で変異の性質が環境に合っているものだけが生き残る。これが進化だ」(栗島氏)。企業もビジネスを進化させるには、環境に適した“変異”を起こさなければならない。

 現在のビジネス環境を見ると、一人ひとりのユーザーが自分に合ったサービスを選び、気軽に情報を発信できるようになっている。大量の情報を分析し、ユーザーの行動を基にその人に合った製品を提案できるようにもなっている。3Dプリンターの普及により、個人に合わせた製品も手軽に作れる。また多様なサービスを自在に組み合わせて、新たなサービスを提供することも可能になっている。

 こうした新しいビジネスを実現しているのは、いずれもアプリケーションであると栗島氏は言う。そしてこれからの企業には、アプリケーションでいかに変異を起こすかを考えることが重要になると指摘する(写真2)。

 大事になるのが、顧客ニーズに合ったサービスを素早く作ること。顧客ニーズのうち、顕在化している部分に応えるのに有効なのがアプリケーション中心指向という。「これまではアプリケーションが基盤に合わせるのが当然と考えられていたが、今後は基盤がアプリケーションに合わせなくてはならない」(栗島氏)。アプリケーション同士の柔軟な連携を可能にするSOA(サービス指向アーキテクチャー)や、複数クラウドを統合的に管理する仕組みが必要という。

 素早い開発を実現するには、「超高速開発」と呼ばれる考え方やツールが有効だとする。実際に同社は、システム開発方法論やツールを統合した「TERASOLUNA」を用いることで、開発期間の4割削減などの成果を上げているという。

 ユーザー自身も気づいていない潜在的なニーズを製品開発につなげるには、共創型イノベーションが効果的だ。情報収集から企画、開発、評価といった一連の過程を顧客と共に実行する手法である。同社も、顧客企業の各部門の担当者を集めて議論する「共創型ワークショップ」を開催するなどの取り組みを実施。通信販売を手掛けるQVCジャパンの事例では、利用者が大幅に増えるなどの成果に結び付いた。

 今後に向けてのキーワードとして栗島氏が挙げたのが、IoT(Internet of Things)の進展によるデバイスの自律化。センサーなどのインテリジェント化が進み、「これからはデバイス自身が自律的に動くようになる」(栗島氏)。これは、今後のアプリケーション開発では押さえるべきテーマとなる。同社でも、要介護者の状況をセンサーを用いて把握し、その様子によってロボットが適切な話しかけをするといった研究開発を進めている。