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 「API(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)は豊富にある。まずはWatson(ワトソン)と既存のシステムを試しにつないでみて、その価値を実感してほしい。それが皆さんの会社のイノベーションにつながるはず」。米IBMのバージニア・ロメッティCEO(最高経営責任者)は2015年10月6日(米国現地時間)、米ガートナーが米オーランドで開催中のCIO(最高情報責任者)向けの大型イベント「Symposium ITxpo 2015」の講演でこうアピールした(写真1)。

写真1●米IBMのバージニア・ロメッティCEO(写真中央)は、「ワトソンで競合との差異化を図る」と強調した
写真1●米IBMのバージニア・ロメッティCEO(写真中央)は、「ワトソンで競合との差異化を図る」と強調した
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 同日IBMは、認知型システム「ワトソン」のコンサルティング専門組織「コグニティブ・ビジネス・ソリューションズ」を新たに発足したことを発表。新組織は、機械学習やデータ分析など様々なスキルを備えた2000人以上のコンサルタントからなり、銀行や保険、自動車、ヘルスケア、小売りなどの業界に向けて、ワトソンの効果的な導入・活用方法を指南する。

 IBMはワトソン事業を新たな事業の柱にするため、これまで10億ドル(約1200億円)を投じた。ワトソン関連ソリューションを手掛けるパートナー企業は350社で、既に100社が具体的な製品・サービスを投入しているという。

 「数値は言えないが、日本を含む世界中の企業から、ワトソンに関する引き合いの件数はかなり多い」(日本IBM広報)。この勢いのまま、実際のビジネスにつなげ、ワトソン事業をどれだけ大きくできるかどうか。新たに立ち上げたコグニティブ・ビジネス・ソリューションズにかけるIBMの期待は大きい。

 「我々IBMはプロダクト・カンパニーではない。ワトソンなどのサービスで顧客の課題を解決するソリューション・カンパニーだ。IBMはこれまでも変革を続けてきた『エンタープライズ・イノベーション・カンパニー』であり、そのことに誇りを持っている。それは今後も変わらない」。ロメッティCEOはこう話す。IBMはワトソン事業を新たな収益源とするため、従業員のスキル強化や意識の変革も進めるようである。同社は今秋、2万5000人のコンサルタントと業務担当者に対して、コグニティブ・コンピューティングの研修を実施する予定だ。