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 米Dellが米EMC買収に向けて協議していると、複数の海外メディアが現地時間2015年10月8日までに報じた。提示されている買収額は不明だが、EMCの企業価値は500億ドルと見積もられており、交渉が成立すれば技術業界で過去最大級の案件になる可能性がある。

 米Wall Street Journal(閲覧には有料登録が必要)が関係者から得た情報によると、交渉は1週間以内にまとまる見通しだが、物別れに終わる可能性も残っている。

 EMCは、昨年同社の2%の株式を取得した米ヘッジファンド、Elliott Managementから、傘下の米VMwareを分社化するよう迫られている。EMCはVMwareの80%を所有しており、VMwareの企業価値は340億ドルとされている。

 なおWall Street Journalは昨年9月、EMCが戦略の見直しを図りDellおよび米Hewlett-Packard(HP)と協議していると報じた。HPとの交渉は、HPが10月に分社化計画を発表する前に打ち切られたという。

 英Reutersは、「すべての選択肢のうち、EMCにとってDellとの合併は最悪のシナリオの1つだ。戦略的なシナジー効果は無く、厳しい進路をいっそう複雑にする」とする米FBR Capital Marketsのアナリストの意見を伝えている。

 しかしDellにとっては、EMC買収は様々な意義がある。パソコン市場の低迷に直面しているDellは、2013年に創業者Michael Dell氏と米Silver Lake Partnersによる買収で非公開化を実施。以来、企業向けストレージやセキュリティーにわたるソリューションプロバイダーへの転換を図っている。EMCはセキュリティ企業の米RSA、クラウドソフトウエアの米Pivotalも傘下に抱えている。

 EMCのJoe Tucci最高経営責任者(CEO)は近年、退任の意向を示しているが、後任探しの計画については何も明らかにしていない。Dellとの交渉が成立すれば、後任問題も一気に解決する(米New York Timesの報道)。