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写真●米EMCのJoe Tucci会長兼CEO(左)と米DellのMichael Dell会長兼CEO(出典:Dell)
写真●米EMCのJoe Tucci会長兼CEO(左)と米DellのMichael Dell会長兼CEO(出典:Dell)
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 米EMCを買収した米Dellの売上高は800億ドルを超える見込みで、米EMC、米VMware、米General Electric(GE)の3社が出資する米Pivotal Softwareは株式上場を目指す――。EMCのJoe Tucci会長兼CEO(最高経営責任者)が2015年10月12日(米国時間)に公表した書簡で明らかにした。

 EMCの売上高は2014年12月期の段階で244億4400万ドルであり、ここから逆算するとDellの売上高は550億ドル強となる。Dellは2013年に株式を非公開化しており、2013年度を最後に決算を公表していない。2013年1~12月のDellの売上高は569億4000万ドルであり、株式非公開化後のDellの業績はほぼ横ばいだったことが分かる。

 Dellとしては主力とするパソコン市場の成長が見込めない中、ハイエンドストレージ市場のトップベンダーであるEMCと、EMCの子会社で仮想化市場のトップベンダーである米VMware、同じくEMCの子会社でセキュリティ大手の米RSAなどを取り込むことで、サーバー、ストレージ、仮想化、セキュリティといったエンタープライズ市場での生き残りを目指す。

中小~中堅企業に強いDellと大企業に強いEMC

 DellのMichael Dell会長兼CEOは12日の電話会見で「中小~中堅企業に強いDellと、大企業に強いEMCという両社の強みを統合する」と語り、両社の営業体制が補完関係にあると強調した。例えばDellの営業網を利用することによって、VMwareの売上高は今後数年間で10億ドル以上積み増される見込みだとしている。

 Dell会長、Tucci会長が共通して主張しているのは、株式を非公開化することのメリットだ。Dell会長はDellが株式を非公開化することで、四半期業績にとらわれない、長期的な投資が可能になったと述べている。EMCはアクティビスト(物言う株主)として知られる米Elliott Managementが2015年に同社の株式を取得して以降、VMwareの株式売却などを迫られるなど、困難な状況が続いていた。

 なおEMCには、今後60日間にDellよりも有利な条件を出す買い手を募る「Go-Shop」条項が認められている。米ロイターなどが報道していたもので、EMCが12日にその事実を認めた。

 EMC買収後のDellにおけるエンタープライズ事業の本拠地は、EMCの本社がある米マサチューセッツ州ホプキントンに置く。米カリフォルニア州パロアルトに本社があり、Pat Gelsinger CEOが率いるVMwareは、DellによるEMCの買収後も独立を維持し、株式の上場も継続する。同じくパロアルトに本社があるPivotalについても、Rob Mee CEOとPaul Maritz上級会長による経営体制を維持し、近い時期での株式公開を目指す。