2015年10月28日、富士通はマレーシア・クアラルンプールでプライベートイベント「富士通アジアカンファレンス」を開催した(写真1)。ASEAN地域でのシリーズイベントで、2015年度の第2回。会場には鮮やかな彩りのヒジャブをまとった女性たちを含め約200人近くの聴講者を迎えて、「Human Central Innovation in Action」をテーマに、各種のソリューションを披露した。



冒頭、富士通マレーシアのカントリーCEO、フィリップ・ソー氏が開会の挨拶で壇上に立った(写真2)。続けて、斎藤淳一・執行役員Asiaリージョン長が、同社のアジアおよびマレーシアにおける事業について説明(写真3)。「マレーシアがASEANの中心部に位置する戦略的に有利なロケーションにある」「イノベーションを起こすために必要な有能な人材が多くいる」などマレーシアの重要性を挙げ、ともにイノベーションを目指そうという姿勢を示した。
ゲストスピーチに登壇したのは、フロスト・アンド・サリバン・アジアパシフィックのシニアバイスプレジデントICT担当、アンドリュー・ミルロイ(Andrew Milroy)氏と、通信マルチメディア省(KKMM)の委託を受けて「Digital Malaysia」の実装を担当しているマレーシア・マルチメディア開発公社(MDeC)のイノベーション・キャピタル部門ディレクター、カール・ン(Karl Ng)氏の2人(写真4、5)。Digital Malaysiaは2020年までにマレーシアで先進的なデジタルエコノミーを実現することを目標とした国家プログラムである。


ミルロイ氏は「2016年の技術トレンド」として、クラウドやIoT(Internet of Things)の利用拡大、顧客との多様な接点を融合させるオムニチャネル活用の浸透、セキュリティの重要度アップの4項目を挙げて動向を説明し、「こうしたディスラプション(破壊的創造)をいかにコントロールするかが、企業の2~3年先の業績を左右する」と指摘した。またカール・ン氏は、「Data Driven Digital Economy」と題し、マレーシアでのデジタルエコノミー実現に向けた取り組みについて説明。オープンデータへの取り組みのほか、「食の安全」に向けたIoTとビッグデータ解析の活用、工場内での製造プロセスの最適化など、各種データの活用例を紹介した。

続く基調講演では、富士通の松本端午・執行役員常務CTO&CIO(最高技術責任者/最高イノベーション責任者)が登壇(写真6)。その後のビジネスセッションでは、増田幸司アジアビジネス本部副本部長、富士通アジアの山浦亮一ニューソリューションビジネスディビジョン・バイスプレジデント、泉田直樹データセンタプラットフォーム事業本部統括部長が、それぞれのソリューションや取り組みを紹介した。