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 犯罪捜査に関連する「iPhone」のロック解除を求める裁判所命令を米Appleが拒否している問題で、多数の技術系企業や業界団体、専門家らがAppleを支持する意見書を裁判所に提出している。

 複数の米メディア(New York TimesMacworldなど)の報道によると、米Twitter、米eBay、米LinkedInなど17社が現地時間2016年3月3日にアミカスクリエ意見書(訴訟の当事者でない第三者が提出する意見陳述書)を共同で提出。米AT&Tは単独で同日提出したという。

 Appleは、昨年12月に米カリフォルニア州サンバーナディーノで起きた銃乱射事件の捜査への協力を米連邦捜査局(FBI)に求められ、犯人が所持していた「iPhone 5c」のロック解除を裁判所に命じられた。Appleは当局が求めるようなセキュリティ迂回ツールを一度作ってしまうと「危険な前例になる」としてこれを拒否し、裁判所命令を無効にするよう2月25日に正式に申し立てた(関連記事:Apple、「iPhone」ロック解除の裁判所命令に正式申立)。

 第1回目の法廷審問は3月22日に行われる予定で、意見書の受付は3月3日までとなっていた。米Google、米Facebook、米Microsoftをはじめとする複数の技術系企業のグループも3月3日の遅い時間に共同のアミカスクリエ意見書を提出すると伝えられている。

 意見書の焦点は、プライバシー保護や暗号化の重要性、政府の行き過ぎた権限に対する懸念などさまざまで、GoogleらのグループやTwitterらのグループ、AT&Tなどは当局が200年以上前に制定された「All Writs Act(全令状法)」をロック解除命令の根拠としていることに強く抗議している。

 iPhone向けセキュリティや暗号化技術の専門家らも意見書を提出しており、Appleが作成を強要されているソフトウエアは独裁的国家や悪質なハッカーらが狙っていると警告している。

 銃乱射事件で負傷した女性の夫もAppleを支持する手紙を裁判所に提出したという。「Appleは政府が作成を求めるソフトウエアが罪のない大勢の人々を攻撃することに使われるのを案じている。私はその懸念に共感する」と綴り、問題のiPhoneは雇用主から配給されたものであり、捜査に役立つ情報はほとんどないだろうとの考えを示した。

 また、英Reutersの報道によると、Google、Facebook、Microsoftらの共同意見書には、米Mozilla、米Evernote、米Snapchat、米Pinterest、米Dropboxなども参加する見込み。米IntelもAppleを支持する意見書を提出するという。

 なお、米ニューヨーク州の別の裁判では、薬物捜査で押収したiPhoneのロック解除を米司法省(DOJ)がAppleに要請していた問題で、米連邦地方裁判所は2月29日、ロック解除を拒否するAppleの主張を認める判決を下している(関連記事:iPhoneロック解除問題 NY州裁判所はApple支持)。