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 個人情報保護委員会は2016年3月24日、マイナンバー(個人番号)の取得や保管の場面で起こりそうなトラブル事例を公表した。「マイナンバーの提供がなければ解雇すると言われた」といった事例や、「マイナンバーの安全管理措置について勤務先の委託業者に問い合わせたが、答えられないと言われた」といった事例を取り上げている。

 このうち「マイナンバーの提供がなければ解雇すると言われた」という事例では、勤務先企業は「給与を支払った従業員らのマイナンバー(個人番号)を記載した源泉徴収票を作成し、税務署に提出するよう税法上定められている」と説明。ただ、解雇をにおわせる発言についてはマイナンバーの取り扱いを所管する委員会の担当外となるとして、「労使関係の問題」として労働問題の窓口に相談するよう求めている。

 内閣官房のマイナンバー制度のホームページでは、企業向けに「マイナンバーの提示を従業員などが拒んだ場合」について説明している。この中で、個人番号の記載は法律で定められた義務であることを伝えても提供を受けられない場合、提供を求めた経過などを記録、保存して、企業として単なる義務違反でないことを明確することを求めるにとどまっている。

 また、「マイナンバーの安全管理措置について勤務先に問い合わせたところ、委託業者に任せているので委託先に問い合わせるよう言われ、委託業者に問い合わせたが、答えられないと言われた」という事例では、勤務先の企業が委託先に対して「必要かつ適切な監督」をすることがガイドラインで求められると説明。ガイドラインでは、委託先でのマイナンバーを含む個人情報の取り扱い状況を把握するよう求めている。さらに、「リサイクルショップで店員からマイナンバーの提示を求められた」という事例では、マイナンバーの利用範囲に該当しないため、提供を求めることはできないと明示している。

 証券口座がある証券会社から「マイナンバーの提供がなければ口座を凍結する」と言われたという事例では、証券取引の窓口に相談するよう求めている。これについて日本証券業協会は、「口座を新規開設する場合はマイナンバーが必要だが、昨年からある既存の口座は3年以内に提出してもらうもの」(企画部)と説明。口座を凍結する制度ではないとしている。

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