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写真●富士ゼロックス ソリューション・サービス開発本部 ソリューション開発部 クラウド統括の黒須 義一氏
写真●富士ゼロックス ソリューション・サービス開発本部 ソリューション開発部 クラウド統括の黒須 義一氏
(撮影:渡辺可緒理)
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 ICTの最新トレンドにフォーカスする総合展「ITpro EXPO 2016 in 札幌」(主催:日経BP社)が2016年6月30日から7月1日にかけて、札幌コンベンションセンター(札幌市白石区)で開かれた。2日目の7月1日午後2時からのキーノートには、富士ゼロックス(FX)ソリューション・サービス開発本部 ソリューション開発部 クラウド統括の黒須 義一氏が登壇し、「クラウドユーザー企業としての富士ゼロックスの取り組み~ハイブリッド、グローバル、マルチクラウドへの挑戦~」と題して講演した。

 黒須氏は「我が社の経営課題はソリューションサービス事業を拡大することと生産性の向上」としたうえで、「経営課題の1つであるソリューションサービス事業の拡大を支えるのがクラウド」と断言した。

 FXは2010年から野村総合研究所(NRI)のデータセンター内にプライベートクラウドを構築して運用を開始した。当初は仮想サーバーの仕様を統一することでコストを抑えようともくろんでいたが、実際には個別仕様が乱立し、コスト高になっていた。「リスク対応を優先したため、サイジングの無駄が多くのプロジェクトで発生していた」と黒須氏は打ち明ける。

 このためFXでは2014年3月からパブリッククラウドのAWS(アマゾン ウェブ サービス)を導入し、ハイブリッドクラウド体制に移行した。プライベートクラウドの利用者の不平・不満を抽出したところ1000件ほど集まったので、これを3つに分類して解消しようと試みた。「AWSの導入自体は1カ月でできるが、社内調整などに6カ月を要した。クレジットカード払いなど、それまでの企業文化とマッチしない部分もあったが、そこは自らを変革した」(黒須氏)。

 AWSの導入に当たっては「富士ゼロックスクラウドデザインパターン(FXCDP)」を作成した。社内の開発者はFXCDPをベースに設計すれば、FXのセキュリティポリシーを順守できるようにした。さらに導入を進めるうえで得られたノウハウは社内でコミュニティを作って共有した。各部門にインフルエンサーを置いて利用を促した。

 今では80以上のテナントがAWS上で動いている。コストは2年前から30%以上減った。「コストが安くなって初めて経営者は是認してくれる」(黒須氏)。

「ハイブリッドクラウドの導入プロジェクトを推進して感じたのは、当事者意識の大切さ。やるべきことだと思ってやっていれば必ずまわりはついてくる」と黒須氏は力説する。「情報システム部門を待っていてはスピード感は上がらない」と続ける。

 今後、FXではアジアパシフィック地域でのビジネス展開に備えて、AWSのシンガポール・リージョンとプライベートクラウドを専用線で接続した。プライベートクラウド自体もSDNを導入して、キッティングにかかる時間を短縮する。「AWSライクに即時にネットワークを開通、設定変更できるようにする」(黒須氏)。このほか、AWS以外のパブリッククラウドを導入して、開発者の選択肢を増やす。