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 2016年7月8日、東京都内で開催された「IT Japan 2016」(日経BP社主催)で園田学園女子大学教授、荒木香織氏が講演を行った。荒木氏は2012年よりラグビー日本代表チームでメンタルトレーニングコンサルタントを務め、ラグビーワールドカップ(RWC)2015の大躍進を支えた。

写真●園田学園女子大学教授、荒木香織氏
写真●園田学園女子大学教授、荒木香織氏
(撮影:井上裕康)
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 「ラグビー日本代表を変えた心の鍛え方」と題した特別講演で、荒木氏はスポーツ心理学の観点から、「メンタルを鍛える」「リーダーシップ」「プレッシャーに打ち勝つ」といった、ビジネスパーソンにも関心の高い「心の鍛え方」について解説した。

 2012年、オーストラリア出身のエディー・ジョーンズ氏が日本代表監督として招聘された。オーストラリア代表でも優れた手腕を発揮したジョーンズ監督と時を同じくして、荒木氏はメンタルトレーニングコンサルタントとしてチームに加わった。ジョーンズ監督は、スポーツ科学の分野をとても重視しており、栄養、スポーツ心理学、分析などは専門のスタッフに任せるというスタンスだった。「エディーさんの要求は、マインドセットを変えてくれというものだった」(荒木氏)。

 マインドセットとは考え方やとらえ方など広く心の持ちよう全般を指す。それは変えることができると荒木氏は言う。ジョーンズ監督の目標は日本の世界ランキングを15位から10位に引き上げることで、RWCで24年前に1勝しただけの日本にとっては、「できる」と考えられるようになる必要があったのだ。

 「心を鍛える」「メンタルトレーニング」といっても魔法のような方法があるわけではないと荒木氏は言う。研究されているスポーツ心理学に基づいた様々な方法論を適用していく。基本は自分自身に気づくこと。すなわち強みを伸ばす方法と、課題への対処法を考え、日々取り組むことがその中心だという。特にこれまで日本のスポーツ指導者は、厳しさばかりで接するケースが多く、良さを伸ばすという考え方が足りないことが多かった。徐々に変化は見られるが、科学的でない指導者もまだ多い。

●6~8人で「リーダーシップグループ」を組む

 初めからメンタルが強い人はおらず、経験や環境を通して、適切な対処法を増やしている。幼少期から科学的なメンタルトレーニングに取り組めば、より高い効果がある。もちろん子どもでなくても、「前向きに取り組みたい人全てに効果的なトレーニング」(荒木氏)だという。「努力と根性」の反復練習はあまり効果が期待できないばかりか、適切な指導がなければ逆効果になることも考えられると注意を促した。

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