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 米国外に保存しているデータの開示を求める米当局に米Microsoftが反発している問題で、米連邦第2巡回区控訴裁判所は現地時間2016年7月14日にMicrosoftの主張を認める判決を下したと、複数の米メディア(New York TimesThe Vergeなど)が報じた。

 判事は、米国外のサーバーに保存しているデータに対して、当局は蓄積された通信記録に関する連邦法(Stored Communications Act)を適用できないと判断したという。

 Microsoftは2013年12月に、麻薬捜査の一環として顧客の電子メールや記録を開示するよう米当局から捜査令状を受け取った。しかし対象の電子メールがアイルランドのダブリンにあるサーバーに保存されていることから、権限の範囲外だとして令状の取消を要求。一方当局は「これは国外での捜索ではなく、国内で行うデータ調査」との理由で令状の有効性を主張した。米ニューヨーク州南部連邦地方裁判所は2014年7月、捜査令状は有効だとしてMicrosoftの主張を退ける判決を下し(関連記事:米地裁、Microsoftに国外保存の電子メールデータの提出を命令)、Microsoftはこれを不服として上訴していた。

 この問題を巡っては、米Appleや米Amazon.com、米Cisco Systemsなどの米大手技術企業のほか、米Verizon Communicationsや米AT&Tといった米大手通信企業、プライバシー団体や個人、さらにアイルランド政府もMicrosoftを支持する意見陳述書を提出したと報じられた(関連記事:米国外保存のデータ開示問題でアイルランド政府がMS支持の意見書)。

 Microsoft最高法務責任者兼社長のBrad Smith氏は今回の判決について、「我々は控訴裁の判断を歓迎する。米国議会は、米国の国境を越えても一方的に捜査令状を使用できるような権限を米政府に与えなかったことがこれではっきりした」とコメントした(米TechCrunchの報道)。