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 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は現地時間2016年8月30日、アイルランド政府が米Appleに対して課税を優遇していたのは違法であるとして、同社に最大130億ユーロ(約1兆4900億円)の追徴税を課すようアイルランド政府に命じたと発表した。

 EC競争政策担当のMargrethe Vestager氏は、調査の結果、アイルランドは違法な税制上の優遇措置をAppleに対して行っていたと判断したと述べ、「それによってAppleが長年にわたり支払ってきた税金は他の企業よりはるかに少ない」と指摘した。同氏によると、法人税率12.5%のアイルランドでAppleが2003年に納めた税金は欧州における利益の1%、2014年には0.005%に下がっているという。

 Appleはアイルランドに2つの傘下法人Apple Operations Europe(AOE)とApple Sales International(ASI)を置き、書類上は海外拠点への販売などを手がけていることになっている。

 ECは2014年6月にアイルランドにおけるAppleの税務処理について本格的調査を開始。同年10月には、アイルランド当局が1991年と2007年にAppleと結んだ税制に関する合意はEUで禁じられている不正な補助にあたるとの見解を示していた(関連記事:アイルランドはAppleを違法に優遇、租税回避問題で欧州委の見解)。

 その上でECは今回、2003年から2014年までにAppleが支払うはずだった最大130億ユーロの税金とその利息をアイルランド当局は徴収しなければならないと結論付けた。

 英Financial Times米New York Timesの報道によると、AppleのTim Cook最高経営責任者(CEO)は「我々は優遇措置を求めていないし、受けてもいない。ECの判断は事実無根で、法的根拠もない」と反論した。また、アイルランドのMichael Noonan財務相は、ECの決定に対して「大いに不服だ」と述べた。Appleとアイルランド政府はいずれも控訴する意向を示している。

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