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 2016年8月24日~26日に開催されたコンピュータゲーム開発者向けのイベント「CEDEC 2016」で、米オキュラスが「VRゲーム開発のビジネスサイド」について講演した。同社 Head of Developer Relations Mobile Engineering クリス・プルエット氏がバーチャルリアリティ(VR)の現状と今後の市場動向について語った(写真)。

写真●オキュラスのクリス・プルエット氏
写真●オキュラスのクリス・プルエット氏
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 米オキュラスはVR用のヘッドマウントディスプレイ(HMD)を開発、販売している企業だ。同社はこれまでにHMDの開発者向けキットである「Oculus Rift DK2(Development Kit 2)」、商用版の「Oculus Rift」などを販売してきた。2016年内にはOculus Riftに対応した、搭載する加速度センサーなどで手の動きを検出する操作端末「Oculus Touch」を発売する予定だ。このほか、韓国サムスン電子と技術提携し、スマートフォンを組み込んで使うHMDの「Gear VR」を販売している。

 Oculus Riftの販売台数は非公開だが、オキュラスのクリス氏によれば、開発者向けのDK2の販売台数は10万台以上だという。DK2は、2014年7月~2015年10月の間に出荷され、現在は販売は終了している。

 2015年12月に発売されたGear VRは、これまでに100万台以上販売されており、月間アクティブユーザー数(MAU)は100万人を超えている。「Gear VRの販売台数は発売開始から8か月程度だが、DK2に比べて多くのユーザーを獲得した」(クリス氏)。

 クリス氏によれば、Gear VRのゲームの購入者は欧米の利用者が多くを占めているという。「日本のユーザーはまだ少ないのが現状」(クリス氏)。欧米市場が中心であるため、日本の開発者はゲームのUI(ユーザーインタフェース)などを外国語に対応させる必要がある。

 Gear VRに対応したゲームアプリケーションと、一般的なスマートフォン向けのアプリは収益モデルが異なる。スマホ向けのアプリの多くは、ダウンロードは無料だが、追加のアプリ内課金や広告が主な収益だ。一方、Gear VR用のゲームは1000円程度でダウンロードできるもの多く、追加の課金が無い。

 クリス氏はVR市場の今後動向について「VRはゲーム愛好者以外にも利用者が拡がるだろう」とした。ゲーム以外の活用方法としては、遠隔地とのやり取りを目的とした「ソーシャルVR」があるという。VRで表現される映像空間内では、やり取りする相手の頭や手の位置、その動きを立体的な映像として確認できる。これらを利用すれば、あたかも同じ部屋にいるような体験も実現できる。「ボイスチャット、ビデオチャットなどの従来の対話手段とは異なる、新しい手段となる」(クリス氏)。

 米オキュラスは2016年10月に開発者向けカンファレンス「Oculus Connect3」を開催する。2015年9月に開かれた「Oculus Connect2」には1500人以上の開発者が参加した。クリス氏は「VR市場はまだ立ち上がったばかり。今後はキラーコンテンツを生み出すために開発競争が加速するだろう」とした。同社は、日本の開発者向けに技術支援チームも配置。開発用の端末提供や資金面での援助も進める考えだ。

■変更履歴
記事公開時に、DK2の出荷時期を2014年7月~10月としていましたが、2014年7月~2015年10月の誤りです。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2016/08/31 22:20]