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 米Yahoo!が昨年、米情報当局の要請に応じて電子メールサービス「Yahoo! Mail」の全受信メールを盗聴していたと、複数の海外メディアが現地時間2016年10月4日に報じた。

 最初にこれを報じた英Reutersが元Yahoo!従業員を含む複数の関係筋から得た情報によると、Yahoo!は米国家安全保障局(NSA)または米連邦捜査局(FBI)の要請により、カスタムなソフトウエアプログラムを構築し、数億件にのぼるYahoo! Mailアカウントの受信メールを監視していたという。

 具体的に当局がどのような情報を求めていたのかは不明だが、メール本文または添付ファイル内の一連の文字列を探していた可能性がある。

 一部専門家は、米インターネット企業が情報当局に協力して大規模な電子メール監視を行ったことが表面化したのは初めてだと指摘している。これまでもモバイル通信事業者やインターネット企業がサーバーなどに保存されているデータを当局の要請に応じて渡したことはあるが、リアルタイムの大規模Web情報収集や、新たなコンピュータプログラム作成を当局が要請した例は聞いたことがないという。

 Yahoo!がデータを渡したとすれば、どのような情報を当局に開示したのか、また、当局がYahoo!以外にも同様の要請をしたのか、Reutersは確認できていない。

 元従業員の話によれば、Marissa Mayer最高経営責任者(CEO)が当局への協力を決定したことに一部の幹部は強く反発し、これが当時最高情報セキュリティ責任者だったAlex Stamos氏の退任につながった。Mayer CEOとRon Bell法務顧問は、Stamos氏およびセキュリティチームに知らせずに、監視用プログラムをエンジニアに書かせてこれを使用。その後、セキュリティチームが2015年5月に同プログラムに気づいた。翌6月にStamos氏はYahoo!を去り、現在は米Facebookの最高セキュリティ責任者に就いている(関連記事)。

 Reutersの取材に対し、Yahoo!は「当社は米国の法律に準拠している」と答え、これ以上のコメントを拒否した。

 Yahoo! Mail監視の報道を受け、アメリカ自由人権協会(ACLU)は「前例のない憲法違反」と抗議し、Ted Lieu米下院議員は「もし真実であるならば、目に余る連邦権限の乱用だ」と強く非難している(米PCMag米TechCrunch)。