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 医療ビッグデータ・コンソーシアムは2017年2月6日、医療ビッグデータ活用の課題解決に向けた提言「医療ビッグデータ・コンソーシアム 政策提言 2016」を発表した。医療ビッグデータとは、電子カルテやレセプト、診療情報、特定健診のデータやゲノムデータなど、健康情報に関する大量のデータを指す。同コンソーシアムは産官学政が参画する組織で、2014年11月に発足した。

 医療ビッグデータを活用することで、新たな治療技術の発見や創薬の技術革新、医療費の適正化など様々なメリットが期待できる。ところが現状では、(1)病院医療情報システムの仕様やフォーマット、規格の統一と標準化、(2)NDB(ナショナルデータベース)に代表される医療ビッグデータの民間での活用、(3)個人情報保護の規制要件の検討──といった課題がある。

デジタルプラネット代表の中村 重郎氏
デジタルプラネット代表の中村 重郎氏
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 提言では、複数の病院で共用する「次世代病院医療情報システム(NHIS)」の必要性を示した。「従来は医療情報システムの更改のたびに以前のデータは利用できなくなっていた。NHISはプライベートクラウド上に各種システムを集約し、共通のデータ形式を継続して採用することで、情報共有や長期的な活用が可能にする」(デジタルプラネット代表の中村 重郎氏)。キーテクノロジーとして、クラウドやWeb技術のほか、IoT、ウエアラブルデバイス、AIなどを挙げた。ネットワークには通信事業者の閉域網を採用し、複数個所にバックアップを取るなど、セキュリティやデータ保全も考慮する。

京都大学大学院医学研究科ゲノム医学センター長の松田 文彦氏
京都大学大学院医学研究科ゲノム医学センター長の松田 文彦氏
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 医療ビッグデータの活用活性化については、東京大学と京都大学に設置されているNDBのオンサイトセンターに対する支援強化などを挙げた。このほか個人情報保護の在り方として、情報の匿名化などを担う代理機関を設立し、匿名化したデータの二次利用にできる限り制限を設けないような法制度を別途検討すべきとした。京都大学大学院医学研究科ゲノム医学センター長の松田 文彦氏は「データの活用に関してはできるだけ制限を外すことが大事だが、二次利用の目的については今後の制度設計で検討すべきポイントになる」と述べた。