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 「基幹系システムにもクラウドファーストの波が広がっている。基幹系システムの動作環境を考える上で、クラウドの検討を進めたことのない企業はほとんどいない」――。伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は2017年2月7日、都内で会見し、ユーザー企業が基幹系システムをクラウドで動作させるようになってきた動向について報告した。

基幹系システムのクラウド利用に関する実態を調査した。企業の85%は基幹系システムをクラウドでは動かしていないが、そのうちの95%はクラウドの利用を検討した実績がある
基幹系システムのクラウド利用に関する実態を調査した。企業の85%は基幹系システムをクラウドでは動かしていないが、そのうちの95%はクラウドの利用を検討した実績がある
(出所:伊藤忠テクノソリューションズ)
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 CTCは2015年10月から2016年10月にかけて、セミナーでのアンケート用紙の配布や既存顧客への聞き取り調査によって、基幹系システムのクラウド利用に関する意識調査を実施した。540社から回答を得た。これによると、企業の85%は基幹系システムをクラウドでは動かしていないが、そのうちの95%はクラウドの利用を検討した実績がある

 企業がクラウドを検討した理由としては、可用性やセキュリティの向上、コスト削減などが挙げられており、「ユーザーはクラウドのメリットをよく理解している」(CTC)状況にある。この一方、クラウドの採用を見送った理由として、既存システムと同じレベルの性能や運用性を求めると、期待するほどにはコストが下がらない点、などが挙げられている。

半年で9社を獲得、うち8社でSAPが稼働

 CTCは2016年4月から、ERP(統合基幹業務システム)に代表されるミッションクリティカルな業務システムを動作させるためのIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)である「CUVICmc2」を提供している。現在のユーザー数は9社で、このうち8社はCUVICmc2の上で欧州SAPのERPソフトを動作させている。

 CUVICmc2の引き合いがあった企業は200社を超えており、これらの企業が回答した用途の内訳は、SAPのERPが過半数の68%を占める。SAPのERPを検討する企業の内訳は、インメモリーデータベースのHANAをエンジンとして使う最新版のS/4HANAが38%を占める。

CUVICmc2の引き合いのうち68%はSAPのERPを動かす用途だった
CUVICmc2の引き合いのうち68%はSAPのERPを動かす用途だった
(出所:伊藤忠テクノソリューションズ)
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 S/4HANAをCUVICmc2で動作させているユーザーの1社が、安川情報システムである。同社は従来、オンプレミス環境で手作りの業務システムを使ってきた。これを改め、クラウド上でERPを使うようにした。米セールスフォース・ドットコムやOffice 365などのSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)も利用している。

Virtustream採用で実負荷に応じて従量課金

 CUVICmc2の特徴の一つは、基幹系システムに特化したクラウド基盤サービスを提供している米バーチャストリーム(Virtustream)のクラウド基盤ソフトを使っていることである。可用性と性能をSLA(サービスレベル契約)で保証する点や、従量課金制を採用し、仮想サーバーのスペックや台数ではなくシステムの実負荷に応じて課金する点といった強みがある。

 CTCの藤岡良樹執行役員クラウド・セキュリティ事業推進本部本部長は、CUVICmc2の競合状況として、Amazon Web Services(AWS)や、SAP HANA Enterprise Cloudを挙げる。「CUVICmc2なら、バックアップの設計やDR(災害時復旧)の設計などを請け負える。運用のアウトソースも請け負える。これらをAWSよりも安く提供できる」(藤岡氏)。

伊藤忠テクノソリューションズ 執行役員 ITサービス事業グループ クラウド・セキュリティ事業推進本部 本部長 藤岡良樹氏
伊藤忠テクノソリューションズ 執行役員 ITサービス事業グループ クラウド・セキュリティ事業推進本部 本部長 藤岡良樹氏
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■変更履歴
写真のキャプションで、藤岡良樹氏の部署名である「クラウド・セキュリティ事業推進本部」を、誤って「クライド・セキュリティ事業推進本部」と表記していました。お詫びして訂正します。キャプションは修正済みです。[2017/2/9 15:25]