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 総務省は2017年2月10日、現行の地デジの視聴環境を維持しつつ、地上4K放送を実現する技術の公募を開始した。同日の発表で、公募期間は2月24日までである。

 総務省では、4K・8Kの推進を目的として、平成28年度第2次補正予算において「地上4K放送等放送サービスの高度化推進事業」を実施することになっている。今回の公募は、この事業の一つを実施するために行うものである。

 募集要領には、技術提案時の要求事項が記載されている。まず、現行の地デジの視聴環境を維持するため、前提として「(1)現行の地デジ視聴者は、受信アンテナの交換や新たにチューナーなどを購入することなどなく、これまでと同じ視聴環境で地デジを視聴し続けることが可能となる(地デジの視聴にあたって機器の設定変更などが必要な場合は、視聴者の負担・手間は極力少なくする)」「(2)地デジの映像・音声品質は極力維持する」ことを条件とする。

 そのうえで、周波数帯とチャンネル幅は、原則、現行の地デジと同一(使用周波数帯は470M~710MHz、チャンネル幅は6MHz)など条件が設定されている。この周波数帯は既に2Kの地デジ放送に利用されているため、4K放送用の周波数は、地デジが使用している周波数の削減や、両放送を同一帯域で使用できる手段の活用などが前提となる。周波数を削減する場合は、(1)(2)の前提条件を満たす具体的な削減方法を明記することを求めている。

 他の伝送路やサービスなども活用して、現行の地デジの視聴環境を維持しながら、4K放送を提供する技術手法の提案も募集対象とする。この場合は、手段や経費(初期費、維持費など)といった視聴者が負担・整備する必要がある事柄の明記を求めている。

 提案内容の例として、4K放送の信号とそれをダウンコンバートした2K放送の信号を同じ放送チャンネルの中で一緒に送信する手法のほか、(2K放送の信号から元の4K映像を再生するのに必要な)補完信号を同じ放送チャンネルで送信する手法、別途通信回線(ネットや5Gを含む)を使って補完信号を送信する手法などを示している。

図●提案募集要領
図●提案募集要領
(出所:総務省)
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 ただし、あくまで例示であり、これによらない技術手法についても提案募集の対象になるとする。たとえば、2K放送と同期をとって、4K放送を通信回線で提供するといったものも募集の対象に含まれそうだ。

 提案の内容にもよるが、総務省では数件程度の採用を想定しているようだ。事業の実施期間は10カ月間とする予定。事業期間の途中と終了時において、提案の方法による地デジと4K放送の映像・音声のデモンストレーションの実施を求めている。

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