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 全日本空輸(ANA)は2017年2月28日、マイレージサービス「ANAマイレージクラブ(AMC)」の会員カードを7月から見直し、自社単独発行のマイレージ単機能カードでこれまで付与可能としていた電子マネー「楽天Edy」機能の付与をとりやめると発表した。発行コストの削減に向けた見直しの一環とみられる。ANAのマイレージとの連携はEdyの会員拡大の大きな原動力となってきただけに、今後の電子マネーの勢力争いにも影響がありそうだ。

 今回の見直しは、ANAが単独で発行するクレジット機能のない単機能のAMC会員カードが対象で、7月4日以降の申し込み分についてEdy機能が非搭載となる。既に発行済みのAMCカードはこれまで通りEdyの機能を利用できる。またクレジット機能の付いた「ANAカード」でEdy機能を付与しているものは、今後も引き続きEdy機能を搭載する。

空港でのQRリーダー整備完了受け、発行コスト削減へ決断か

ANAはWebサイトで、マイレージカードを7月から変更することを発表した
ANAはWebサイトで、マイレージカードを7月から変更することを発表した
(出所:ANAのWebサイト)
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 ANAでは、空港の自動チェックイン機や保安検査場、搭乗口などで2次元バーコード(QRコード)の読み取り機の整備を進めてきた。この整備が完了したことを受け、今後発行するAMCカードは表面中央にQRコードを印字し、これにより会員情報を読み取る方式へ移行。これに併せてEdyの決済に必要な非接触IC機能の搭載も取りやめ、カードの発行コストを削減する意向とみられる。

 Edyはソニー系のビットワレット(現楽天Edy)が2001年11月にサービスを開始。ANAとは2003年6月に提携し、マイルを電子マネーに交換するサービスを世界で初めて始めたほか、Edyの支払いでANAのマイルがたまるサービスも展開し、Edyの利用拡大に貢献した。2004年12月にはANAがビットワレットに出資するなど関係を強化している。

 ただ、その後は両社の関係も変化している。ビットワレットは2010年に楽天の傘下となり、2012年には社名・サービス名も「楽天Edy」に変更。現在は同社とANAとの間に資本関係はなくなり、楽天の100%子会社となっている。楽天は自社サービスとリアル店舗を合わせた「楽天経済圏」の一環として電子マネーを活用する戦略だが、近年は「Suica」「PASMO」など交通系電子マネーや「nanaco」「WAON」など流通系の電子マネーが着実に足場を固めつつある。