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 内部告発サイトのWikiLeaksの創設者Julian Assange氏は、米中央情報局(CIA)によるハッキングを可能にする脆弱性の修正に関して大手技術企業と協力する意向を示したと、米New York Timesをはじめとする複数の海外メディアが報じた。

 Assange氏は、亡命先の在英エクアドル大使館から現地時間2017年3月9日にオンラインのライブ配信を実施し、今回のWikiLeaksによるCIA機密文書の公開について語った。

 WikiLeaksは3月7日、CIAのハッキングツール開発に関する新たな機密文書(コード名「Vault 7」)を入手したとして、そのうち8761点の資料から成る第1部「Year Zero」を公開した。同資料は、CIAがトロイの木馬、ウイルス、マルウエアなどを利用して米Appleの「iPhone」、米Microsoftの「Windows」、米Googleの「Android」、韓国Samsung Electronicsのスマートテレビなどから情報を収集する多様な手法の開発と運用に取り組んでいたことを示しているという。

 Assange氏は、「CIA機密資料の追加情報への排他的アクセスをこれら技術企業に提供して協力することを決定した。そうすれば、修正パッチを開発および配信し、ユーザーを保護できる」と述べた。深刻なセキュリティホールを取り除き、ハッキングツールを無効化できたら、さらなる詳細情報を公開したいと考えている。

 同氏は、CIAがゼロデイ脆弱性を発見しても、それを企業に通知せずにいたことを強く非難した。ゼロデイ脆弱性の情報が敵対国などの手に渡れば、米国民を大きな危険に曝すことになる。

 一方CIAは、WikiLeaksが公開した資料の真贋については言及せず、「我々の任務は、革新的かつ最新の技術を用いて米国をテロ行為や敵対国から守ること」と主張し、これまでと同様「Assange氏は決して真実や清廉潔白の拠り所ではない」と述べた。

 英Financial Timesによると、Assange氏の協力の申し出に対して、大手IT企業の反応はいくぶん冷ややかという。

 Assange氏は、文書公開以降、複数のメーカーがより詳しい情報をもとめてWikiLeaksに連絡をとってきたとしているが、一部の技術企業は、Assange氏との協力は倫理的および法的に支障があるため実現しそうもないと述べている。

 Appleは「当社の初期分析では、リーク文書の中で言及された問題の多くがすでに最新iOSで解決されている」との声明を発表し、SamsungやMicrosoftは「早急に調査する」としている。

 続いて米Googleも「ほとんどのセキュリティーホールはパッチを公開済み」とコメントしている。しかしAndroid端末はデバイスメーカーがそれぞれ独自のソフトウエアを追加し、アップデートの配信スケジュールが各社異なるため、ユーザーは最新のセキュリティアップデートを入手するのが容易ではないと、米CNETは指摘している。