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 日立製作所は2017年4月25日、産業用の空気圧縮機で世界大手の米サルエアーを12億4500万ドル(約1357億円)で買収すると発表した。北米全域に広げた販売チャネルと約4000社の顧客基盤を持つサルエアーの買収を通じ、底堅い成長が見込める北米の空気圧縮機市場で足場を固める。さらに、同社が成長の柱に据えるIoT(インターネット・オブ・シングズ)プラットフォーム「Lumada(ルマーダ)」の販売拡大につなげる狙いだ。

 日立製作所も日本やアジアを中心に空気圧縮機を販売しているが、これまで北米市場は攻めあぐねていた。サルエアーは機械メーカーの事業持株会社であるルクセンブルクのアキュダイン・インダストリー傘下で、自動車や部品などの工場機械の動力源となる空気圧縮機の製造や販売、サポートを手掛ける。北米全域に約200店の販売ネットワークと、約4000社の顧客企業を有する。2016年12月期の売上高は約432億円だ。

 日立製作所の空気圧縮機事業の売上高は非公表だが、足元ではサルエアーとの合計で700億~800億円規模とする。2020年をめどに計1000億円に引き上げることを目指す。

サルエアー買収を発表する日立製作所代表執行役 執行役副社長の青木優和氏
サルエアー買収を発表する日立製作所代表執行役 執行役副社長の青木優和氏
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 日立製作所が同日に開いた記者会見で、インダストリアルプロダクツ事業を統括する青木優和代表執行役 執行役副社長は「(サルエアーの顧客基盤が)産業系のデジタルソリューション事業をグローバル展開する上での起点となる」と買収の意義を強調した。

 空気圧縮機は食品や電子部品、建設など幅広い産業に普及している。「製品の販売をきっかけに顧客企業の生産現場に入り込み、そこで生じる課題を近い距離から把握できるようになる。そこからルマーダの販売につなげていく」(青木副社長)。例えば、空気圧縮機の遠隔モニタリングを通じた故障の予兆把握や部品交換の効率化、工場内に取り付けたカメラによる作業員の行動解析や設備の稼働分析といったソリューション(課題解決策)を提案していくという。