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 物品の売買や契約のルールなど「債権」に関する民法の改正案が2017年5月26日、参議院本会議で可決・成立した。公布から3年以内に施行される。

 民法の改正はITに関する契約に様々な影響をもたらす。システム開発委託時の契約内容や、その際に発生するユーザー企業とITベンダーの責任範囲などが変わる。

 改正民法の変更点の一つが「瑕疵担保責任」をめぐる条文だ。民法634条から640条で規定されていたが、改正法では削除。代わりに(契約に対する)「不適合」という言葉を用いて同様の責任を求めている。

 責任の内容も変更点がある。その一つがシステム完成後に見つかった欠陥の修正期限に関するもの。ユーザー企業はITベンダーから引き渡されてから1年以内に修正を求める必要があったが、改正法では欠陥に気付いてから1年以内にITベンダーに通知すれば、通知後5年以内は修正や報酬の減額などを求められるとしている。

 外部の技術者との委託契約形態である「請負」や「準委任」の位置付けにも影響が及ぶ。請負の場合、現在の民法ではITベンダーは顧客企業に対してプログラムなどの成果物を完成させる義務を負い、ユーザー企業はその成果に対して報酬を支払うとされている。改正法では、成果物が全て完成していなくても、成果物の一部によってユーザー企業が利益を得ていれば、利益に応じた報酬をITベンダーが要求できると明確にした。

 一方の準委任はITベンダーがユーザー企業に特定業務の遂行を約束する契約形態で、報酬は業務遂行に対して支払われる。準委任契約の場合の成果物の完成義務については、これまで民法に明記されていなかった。改正法では準委任でも成果物の完成に対して報酬を支払う契約パターンがあると明記している。