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 「IoT(Internet of Things)時代はあらゆるモノが広告になり得る。IoTをAoT(Advertising of Things)と捉えることで、広告の未来は無限に広がる」――。博報堂のビジネスインキュベーション局スダラボでエグゼクティブ・クリエイティブディレクターを務める須田和博氏は、日本マイクロソフトが2017年6月22日に開催したイベント「AI×宣伝広告フォーラム」のセッションに登壇。AoTの一例として、AI(人工知能)と鏡を組み合わせたターゲティング広告配信システム「Face Targeting AD」の取り組みを紹介した。

博報堂のビジネスインキュベーション局スダラボでエグゼクティブ・クリエイティブディレクターを務める須田和博氏
博報堂のビジネスインキュベーション局スダラボでエグゼクティブ・クリエイティブディレクターを務める須田和博氏
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 Face Targeting ADはマイクロソフトのクラウドサービス「Microsoft Azure」と、鏡形のデジタルサイネージを組み合わせたアウトドアメディア兼ターゲティング広告配信システムだ。鏡の前に立った人物の顔の特徴や感情を読み取り、最適な商品やサービスの広告を出し分ける。「疲れているときは栄養ドリンクを表示したり、悲しそうな表情をしていれば思い切り泣ける映画の広告を出したりする」と須田氏は説明する。

顔の特徴や感情を認識し、最適な商品やサービスの広告を表示する
顔の特徴や感情を認識し、最適な商品やサービスの広告を表示する
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 鏡に取り付けたカメラから顔の画像を取得し、Azure上に送信する。Azureのコグニティブ(認知)サービス「Microsoft Cognitive Services」に含まれる顔認識API(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)や、感情認識APIなどのAI技術を使い、性別や年齢、感情を分析する。

 単に人物に合った広告を配信するだけではない。「30代女性や50代男性など、広告を見た人のアクセス履歴が取れる。広告が表示されたときの表情を読み取ることで、広告に対する反応も分かる」(須田氏)と利点を語る。

 2017年3月にテキサス州オースティンで開催された音楽・映画・マルチメディアの大型見本市「SXSW(サウス・バイ・サウスウェスト)」で、Face Targeting ADの体験展示を実施した。現在は試作版だが「実用化に向けて営業を進めている。既に問い合わせもある」(須田氏)という。鏡だけでなく「AoTの世界では風景や野菜などあらゆるモノが広告になる。広告制作者にはそれぞれのモノに適した広告表現を追求することが求められる」(同氏)と訴えた。