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 日本IBMは2017年6月28日、API(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)連携の報道関係社向け説明会を開催した。金融業界でAPIを公開する機運が高まっている背景や同日付けで提供を始めた証券会社向けのAPIを実装する仕様を定めたテンプレート「FinTech証券共通API」を紹介した。

 三澤智光専務は2017年5月26日に成立した銀行法改正法案を「金融機関にAPIを整備するように義務付けるような内容」と表現した。同法案では外部企業がIDやパスワードを使わずに決済代行事業が運営できるように体制を整えることを銀行などの義務としている。

三澤智光専務
三澤智光専務
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 APIを公開する機運の高まりを受けて、日本IBMでは金融業界向けに仕様のテンプレートを公開したり、APIを解説するセミナーを開催したりしている。提供を開始したFinTech証券共通APIは資産残高、注文履歴、取引・入出金履歴、NISA(少額投資非課税制度)履歴のデータをAPIで公開する仕様を定めている。

 日本IBMはこれまでにも2016年2月に銀行向けの「FinTech共通API」、同年9月にクレジットカード会社向けの「FinTechクレジットカード・信販API」といったAPIテンプレートを提供してきた。IBMのAPI管理クラウドサービス「API Connect」はこうしたテンプレートを実装しやすく調整している。

 三澤専務は「これまでAPI公開を発表してきた金融機関がどのAPI管理サービスを使っているか察してほしい」と、APIテンプレートによるAPI管理クラウドサービス拡販の好調ぶりを示唆した。

 クラウド事業本部の早川ゆきエグゼクティブ・アーキテクトは「API公開はアプリ開発のアウトソースとも考えられる」と話した。外部企業が使い勝手の良いスマートフォン向けアプリなどを開発することで、証券会社の顧客は証券売買などがしやすくなるからだ。証券会社が共通の仕様でAPIを実装すると、外部企業が証券会社の持つデータを使ったサービスを開発しやすくなる。

クラウド事業本部の早川ゆきエグゼクティブ・アーキテクト
クラウド事業本部の早川ゆきエグゼクティブ・アーキテクト
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 IBMがテンプレートの提供で拡販を狙うAPI Connectは、APIの管理ができるSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)とAPIの仕様を外部企業や社内に公開ポータルサイト、APIのアクセス制限などを設定できるゲートウエイを含んだパッケージだ。一つの認証管理基盤で複数のシステムにアクセスできるようにするシングルサインオン(SSO)と同じ技術を使っていて、IDとパスワードを使ってデータ連携するよりもセキュリティが高められるという。

 ゲートウエイは仮想マシンで構築したクラウドサービスと、オンプレミスに設置するアプライアンス機がある。価格はクラウドサービスの場合で月間500万APIアクセスを制御できるプランで月額32万5800円(税別)だ。アプライアンス機を設置する場合は、約3000万円の初期費用と保守料金がかかる。API Connectは2016年2月から提供している。

■変更履歴
公開当初API Connectのゲートウエイの名称を仮想マシンのクラウドサービスとアプライアンス機の両方で「DataPower Gateway」と説明していましたが、実際にはアプライアンス機の場合のみでした。本文は修正済みです。 [2017/06/29 22:46]