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 日立製作所は2017年9月19日(米国時間)、米国子会社である米Hitachi Data Systems(HDS)と、HDSが2015年に買収したBI(ビジネスインテリジェンス)ツールのベンダーである米Pentahoを統合し、産業IoT(Internet of Things)の新会社であるHitachi Vantara(日立ヴァンタラ)を設立したと発表した。

 新会社には日立のIoTプラットフォーム「Lumada」の開発チーム「Hitachi Insight Group」も統合する。同日に米ラスベガスで開催したHDSのカンファレンス「Hitachi NEXT 2017」の基調講演に登壇した日立製作所の東原敏昭社長兼CEO (最高経営責任者)は、「データから価値を生み出す『データ・ドリブン・ソリューション』を提供するのがHitachi Vantaraの役割だ。データのポテンシャルを顧客が発見する手助けをする」と強調した(写真)。

写真●日立製作所の東原敏昭社長兼CEO (最高経営責任者)
写真●日立製作所の東原敏昭社長兼CEO (最高経営責任者)
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 Hitachi Vantaraの営業地域は、日本市場を除くグローバルとなる。従業員数は約7000人で、売上高は4000億円程度になる見通しだ。日本におけるLumadaの事業展開は、従来通り日立本体が担う。HDSは1989年に、日立と米EDS(Electronic Data Systems、2008年に当時の米Hewlett-Packardが買収)の合弁によって米カリフォルニア州サンタクララに設立された。HDSの社名に「Data Systems」とあるのはそのためだった。

 HDSは1990年代には米IBM互換メインフレームの販売で、2000年代にはストレージ装置の販売で名を馳せた。現在も1万社以上の顧客を抱える。しかし「HDSというとITインフラストラクチャーの販売会社というイメージが強く、営業担当者が会えるのも顧客の情報システム部門や調達担当者に限られていた。顧客のビジネス上の成果(アウトカム)を改善するIoTのソリューションを販売するには、顧客のビジネス部門にリーチする必要がある。会社のブランドを変えなくては、会える人に会えないと考えた」。日立製作所のサービス&プラットフォームビジネスユニットCEOを務める小島啓二専務は、HDSの名称を変更した理由をこう説明する。小島専務はHitachi Vantaraの会長も兼務する。

 Vantaraは日立の造語で、英語で見晴らしの良い場所を意味する「Vantage Point」のVantageから来ている。Hitachi Vantaraの大槻隆一CEOは、「HDSのITインフラストラクチャー製品は仮想化(Virtualization)で顧客に支持されていたので、社名にVを入れたい、残したいという思いがあった」と語る。

 日立の海外売上高比率は全社レベルでは48%(2017年3月期)に達するが、「情報・通信システム」セグメントの売上高に占める海外売上高の割合は30%(同)に留まる。情報・通信システムセグメントにとっては、海外売上高を伸ばすことが課題となっていた。海外の中でも最も重視するのが米国市場だ。新会社の設立によって、ストレージなどの販売からソフトウエアやサービスの販売へと事業をシフトさせ、事業の拡大ピッチを加速させていく狙いだ。

■変更履歴
当初の記事で発表日を9月20日(米国時間)としていましたが、正しくは9月19日(米国時間)です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2017/09/21 08:50]