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 筆者が主宰する情報化研究会では毎年、4月の第1土曜日に京都で研究会を開催している。今年は研究会のテーマを「格安SIM、SIMフリースマホで革新するコミュニケーション&コンピューティング」とした。

 講師は筆者とIIJネットワーク本部 ネットワークサービス部 モバイルサービス課の佐々木太志さんである。IIJはコンシューマー向けの個人向けSIM/インターネットサービス「IIJmio」で成功しているだけでなく、パナソニックをはじめとする企業にMVNE(仮想移動体サービス提供者)としてサービスを提供し、成果を上げている。

 格安SIMやSIMフリースマホはただ安いだけが取り柄ではない。コミュニケーションやコンピューティングの意味やあり方を変えるインパクトがある。私の講演はそこに着目するつもりだ。

 さて、本論に入ろう。筆者は提案から、設計・構築、運用と企業ネットワークの仕事の全てを手掛けているが、実際には仕事の8割は営業だと思っている。なので、いざというときは本職の営業などそっちのけで、自分が先頭に立って営業するのだ。本職とは所属組織に「営業」と付いている人のことであり、本職でない筆者はSI主体の組織に属している。

 時に、バトルと呼ぶのがふさわしい激しい商談をすることがある。今回はバトルをどう勝ち抜くのか、この数年にあった商談を材料にした「フィクション」で述べたい。

攻めの営業、守りの営業

 まずは新規のお客様への攻めの営業からだ。ある年の夏、いつものごとくセミナーで講演した。話し終わるや、かっぷくのいい紳士が演台に歩み寄ってきて名刺交換を求められた。大手企業のシステム部長である。「わが社のネットワークも100%シスコを使っている。講演の中にあった“脱・シスコ”をぜひ、提案してほしい。」

 2週間後に提案。脱・シスコだけでなく、ネットワーク構成に工夫を凝らして30%以上のコスト削減を実現する内容だった。