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 「進化するITが社会、生活をこう変える」。米IBMのバージニア・ロメッティ会長兼社長兼CEOは1月6日から4日間、米ラスベガスで開催された家電見本市CES2016の基調講演に、こんな思いで認知型コンピュータWatsonの活用事例を披露したように見えた。

 そう感じたのは、有力ITベンダーが10年以上前から発表する場を失ってしまったことにある。そこで、多くのITベンダーが、単独主催の展示会を開催している。米オラクルやセールスフォース・ドットコムなど、国内でも富士通やNECなどが単独の展示会に力を注いでいる。新しい商品やサービスを発表する場としても活用している。

 だが、このような展示会の参加者の中心は顧客、いわばファンと思われる。主催するITベンダーに関心のない人たちは、まず来ないだろう。これからのITの方向や先進的な活用は、より多くのITベンダーから聞きたいだろう。そんな中で、IBMは自社の描く未来のIT活用を示す場として、17万人超が来場するCESを選んだのではないだろうか。

 先行する業界がある。新聞報道によると、自動者メーカーは新しい製品や技術の発表の場をCESにシフトしているという。CES2016で、米ゼネラル・モーターズ(GM)のメアリー・バーラ会長兼CEOがロメッティCEOの3時間30分前の基調講演で、「常にコネクトする車」のシボレーEV(電気自動車)をプラットフォームと位置付けて、これからの自動車を説明した。トヨタ自動車なども自動運転などの最新技術を展示したり、記者会見を開いたりしている。